微増傾向にある「家族でテレビ」
日本PTA全国協議会は、子どもとメディアに関する意識調査を行い、テレビ、ゲーム、マンガ、インターネット、携帯電話など、多岐にわたるメディアの利用状況とその問題点などをまとめた。2008年11月に行われた調査では、全国の小学5年生、中学2年生あわせて4800人と、児童生徒の保護者4800人から回答を得ている。
テレビ視聴については、この5年間で小中学生とも「家族と一緒」の視聴が増えている。見る場所については、「子ども部屋」が小学生で5.4%、中学生で14.0%と増加しているが、「リビング・台所」は小学生で90.0%、中学生では82.1%といずれもこの3年間で微増している。
今放送されているテレビ番組のなかで好きな番組をたずねたところ、小学生では「セレブと貧乏太郎」中学生では「ブラッディ・マンデイ」があがった。また「クイズ!ヘキサゴン」は、前回調査よりも大幅にポイントが上昇しており、これには家族で楽しめるというクイズ番組の特性が反映されているようだ。
また、親が子どもに見せたくない番組としては小学生では「クレヨンしんちゃん」中学生では「ロンドンハーツ」が1位。子どもに見せたい番組は、小中学生ともに「世界一受けたい授業」となった。
テレビより強い、マンガに対する親たちの拒否反応
また、子どもたちが定期購読しているマンガ・コミック、雑誌については1位「少年ジャンプ」、2位「コロコロコミック」、3位「ちゃお」、4位「NARUTO-ナルト-」、5位「ニコラ」となった。テレビで見せたくない番組があると回答した人は、小学生の親で3割、中学生の親では2割だったが、マンガでは6割と5割にのぼっており、親たちのマンガ・コミック、雑誌への拒否反応は強いものとなっている。
昨年度まで調査では、「少年マンガや少年コミック」「少女マンガや少女コミック」というジャンル分けしており、そのときの忌避は多くて2割どまりとなっていた。しかし、その垣根を取り払い、「マンガ・コミック、雑誌」と広げたとたん強い拒否反応が見られたという。
見せたくない理由としては「安易な中絶や避妊等、配慮が足りない性行為など、子どもの興味をかき立てる」「いじめや恐喝、偏見を助長する場面が多い」などがあがっている。同調査では、小中学生の親たちの世代は決してマンガ文化を否定していないが、度を越したものは困るという反応は注目に値すると指摘している。
【関連記事】
・夫に強まる“家族重視”傾向、「家族でテレビ」の団らんスタイルは9割超
・小学生の6割が「携帯メールが学力低下につながる」と回答
・小中学生の定額給付金の使いみち1位は「貯金」
・小中学生の学習方法1位「塾」、2位「ニンテンドーDSなどゲーム機」