組織を同じ方向へ動かす「共通言語」
セッションの終盤、北原氏は「各論が対立しがちなメディア戦略において、組織を同じ方向へ向かせ、投資の正当性を社内に証明するための『軸』は何か」と最後の問いを投げかけた。
カルビーの渡部氏は、営業や流通部門に対して、TVCMの構造的な効率(首都圏と地方の投下量の違い等)を論理的に提示しつつ、SNSコミュニケーションの本質について社内の認識を揃えている。「出来上がった完成品を一方的に与えるのではなく、視聴者が自ら発信したくなる『情報の素』をそっと置いておく」というスタンスの共有が、組織全体の理解を深めているという。
一方、求人ボックスの小島氏は、チームを束ねる強力な共通言語として「モーメントキャッチ」というキーワードを掲げる。いつ訪れるかわからない仕事探しのモーメントに対し、常に網を張っておくというこの概念は、マーケティング部門から営業部門に至るまで、投資の意義を共有するための大きな指針となっている。
テクノロジーが進化しメディア環境が複雑化しても、その奥にある「なぜその投資をするのか」というWhyが明確でなければ、ブランドの持続的な成長は望めない。五感と人間の心理に深く寄り添うカルビーと、データやAIを駆使しプラットフォームのルールをハックする求人ボックス。両社の戦略が語られた本セッションは、自社のマーケティング投資を見直す多くのビジネスパーソンにとって示唆深いものとなった。
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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)
デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。
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