河原康達氏が語る! Webディレクションを楽しむ奥義とは?
ネット普及率が75%を超えた現在、企業のコミュニケーション活動におけるWebサイトの重要性は高まるばかり。加えて、とどまるところを知らない技術革新と新サービス登場の余波により、企業がWebサイトを作る目的は、実に多様化してきている。こうした中、以前にも増して熱い注目を浴びているのが、「Webディレクター」という職業である。
しかし、企業や消費者のニーズが多様化し、案件が複雑化すればするほど、Webディレクターが目的を達成するためには、多くの知識と経験が必要となる。また、最近急増しつつあるCMS構築をともなうWebサイト開発などでは、通常のコーポレートサイトやプロダクトサイトなどの構築に比べて、工数が大幅に多くなり、ディレクションを求められる範囲も非常に広範なものだ。
こうした中、「普段から自分なりにいろいろな工夫をしているのだが、どうしてもプロジェクトがスムーズに進まない」という悩みを抱えているWebディレクターの方も多いことだろう。
そこで今回、株式会社ロフトワークのチーフディレクターであり、EコマースやCMSサイト構築などに幅広い経験をもつ河原康達氏を講師に招き、セミナー「Webディレクターの段取り力」を開催。セミナーの模様を3回にわけて実況中継でお送りする。第1回は、「段取り力の必要性、Webディレクションを楽しむ奥義」をお届けしよう。
なぜいま「段取り力」か? 悩めるWebディレクターの現状
(以下、河原氏) 今回のセミナーでは、Webディレクターを対象に、「普段から自分なりにいろいろな工夫をしているのだが、どうしてもプロジェクトがスムーズに進まない」という悩みを抱えている方を想定してお話を進めようと思います。
たとえば、皆さんもよく経験があると思うのですが、「クライアントの要望が多すぎて混乱してしまう」「緊急タスクに対応の連続で、仕事が終わらない」「1日中メールを書いて詳細を説明しているのに、ちっとも伝わらない」、そしてこれがもっとも多い悩みですが「あれも、これもと、仕様がどんどん膨らんでいき、いったい何を納品したらよいのかわからない…」といった悩みです。
- クライアントの要望が多すぎて大混乱
- 緊急タスクに、その都度、対応の連続で終わらない
- メールで長く伝えているのに伝わらない!?
- 仕様がどんどん膨らむ! 何を納品するんだ?
- 納期がのびのびになる
こうした問題が起こる背景には、「大規模、複雑化するWebディレクション」というキーワードが考えられます。Webディレクターという職業が一般化し、Webディレションの領域が大きくなるにつれて、いろいろな領域でいろいろなことを同時に考えなければならず、気がつけば収拾がつかない事態に陥り、混乱してしまうという現象です。実際に日々、強いプレッシャーを感じながら仕事をしているというWebディレクターの方は非常に多いでしょう。
今回のセミナーでは、このような悩めるWebディレクターをプレッシャーから解放し、着実にプロジェクト管理ができている実感を得られる状態、「Webディレクションを楽しむことができる」状態に導くことをゴールとして設定したいと思います。そのためにご提案するのが、「段取り力」を高めるという方法論なのです。(次ページへ続く)