自社のWeb サイトで旅館の特徴をしっかりと伝えたい
東京からのアクセスもよく人気の観光地、福島県磐梯熱海温泉。この温泉街で創業60年を誇る老舗旅館が「紅葉館きらくや」だ。現在、旅館を取り仕切るのは村田英男氏。今年で65歳を迎えるが、いまも現役である。
「紅葉館きらくや」は、インターネットの初期からWebサイトを開設して、旅館のプロモーションをスタート。当初はインターネットに対する認知度も高くなかったためアクセスは伸び悩んだが、インフラの整備とともにそれも改善。一歩先に抜きん出た宣伝戦略は功を奏したという。
有限会社紅葉館のWebサイト
ところがその後、同業他社のWeb サイトも増え始め、しだいにアクセス数は減少に転じることに…。インターネットユーザーが増えたことは喜ばしいものの、皮肉な状況を迎えることになった。検索連動型広告「Google アドワーズ」のを決めたのはそういった経緯があるから。新たな課題に直面し、「やり方を変えなければいけない」と思っていたところ、その存在を知り、広告宣伝の切り札になるかもしれないと考えたのだ。
「『紅葉館きらくや』は、お客様が望まないサービスを切り落として1泊朝食のみというスタイルで営業しています。旅行サイトにも出店していますが、そうした特徴を伝えるためにも、お客様には直接当館のWebサイトを訪れていただきたい。自分で広告の設定ができるアドワーズであれば旅館のコンセプトを正確に伝えることができるし、順位が一定しない通常の検索結果を気にして対策をとるよりも、アドワーズに予算をかけて表示順位をコントロールしたほうが、効果が高いと考え導入しました」
プロモーションという点において、Webサイトの開設は、経営規模を問わない効果的な手法であることはいまや明らか。村田氏は先見の明を持ち取り組んできたわけだが、いまやそれも飽和状態。「旅館に泊まりたい」という顕在ユーザーにさらにアプローチするには、アドワーズのようなツールが有効だと考えた。しかもアドワーズの場合、検索結果に表示される広告タイトル、広告文といったクリエイティブを自作することも可能。能動的にハンドリングできることも、大きな魅力に映ったという。
ちょっとした工夫で効果的な宣伝が可能に
自ら工夫を重ねながらアドワーズを運用している村田氏。広告タイトルは幅広い客層に訴求するものもあれば、「お1人様大歓迎の温泉旅館」といった1人客に的を絞ったものも。キーワードには季節要因もふんだんに盛り込むようにしている。
「重要なのはお客様の視点に立って考えることだと思います。例えば、福島では3 月から『花見山』が観光名所として脚光を浴びます。先日これをキーワードや広告文に加えたところ、高い確率でクリックされ、非常に効果的なプロモーションになりました。あとは、旅館のコンセプトに合わせてキーワードを盛り込み、うちを必要とするお客様だけにうまくアプローチできるよう心がけています」
キーワード「花見山 温泉宿」で検索した際の表示結果
検索結果画面に広告が表示されるアドワーズだけに、ここでニーズの刺激するようなキャッチがないと、クリックはされない。村田氏は、顧客が求めていることをイメージし、キーワードの選択や広告タイトル、広告文を精査することを重視している。