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MarkeZine Day 2010 OSAKAレポート

数値データの活用で実現するマーケティング最適化


アシスト効果を把握して活用する

 また、さらに応用した分析事例として、アシストの重要性について言及。「アシスト効果の重要性は認識されていながらも、その分析は難しいとされているが、それらをしっかりフォローすることで、最適なコストカットが可能になり、効果的な導線を拾うことが可能になる」とした。

 「コンバージョンとアシストの数や比率は表示されるが、実はこれだけでは不十分。どの間接広告が、どのコンバージョンにアシストしたかが明らかになれば、間接効果の質や意味を理解する材料になります。だから数を見るだけではダメで、非常に難しいが面白い指標でもある」

 続いて、ある化粧品の例を取り、消費者がどのようなキーワードで検索を重ね、購入に至ったのか、その態度変容の例を示しながら、この段階のすべてが「アシスト」であると説明。間接効果の分析の本質がユーザー行動の分析であることを解説した。

 「広告Bは広告Aに非常に強くアシストし、広告Aは他に複数の広告へアシストもしています。さらに広告Bはアシスト先として有意なペアは存在しないことが分かると思います。広告Aは当社のブランド名のリスティング広告で、他からのアシストがあったり、他へのアシストでコンバージョンを稼いでいたりすることが分かりました。また、広告Bは当社の中で最近売上を伸ばしている商品名で、他からのアシストはありませんが単独でのコンバージョンもしくは広告Aへのアシストを行っていることが分かります」

 さらに、訪問者がどの広告からどの広告を渡り歩いたかを表わす、クリックストリームのパターンを分析すると、購入者の態度変容が見て取れるという。どの時点でどの広告を見て気持ちが変わっていったのかをしっかり理解することで、切り過ぎないコストカットが可能になり、効果的な導線を拾うことが可能になるというのだ。

CPAだけではなくLTVにも着目

 最後に、中川氏はある企業が打った3つの広告の例をとり、CPAだけに着目するのではなく、顧客が長期に渡って購入し続ける商品やサービスのトータル価値を測る指標である、LTV(Life Time Value/顧客生涯価値)に着目することの重要性を主張。今後は、売上データベース、顧客データベースなどとの連動が発展し、「買い物頻度の高いお客様」や「ポジティブなツイートが多いお客様」にアプローチすることのできるマーケティングプランも出現するだろうと予測し、講演を終了した。

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この記事の著者

伊藤 秋廣(イトウ アキヒロ)

エーアイプロダクション代表
1966年東京生まれ。中央大学法学部卒。
長きに渡るサラリーマン生活を経た40歳の時、フリーランスのライターとして独立。「エーアイプロダクション」を設立し、WEB、雑誌、新聞、書籍などあらゆる媒体にて執筆活動を開始した。レストランや温泉、ショップ紹介などの情報系記事から、ドク...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2010/08/09 18:43 https://markezine.jp/article/detail/11119

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