「旅・グルメ」という強みを活かして、コンテンツビジネスを展開
次にお話をうかがったのは、テレビ東京のさまざまなインターネット事業をになっているコンテンツビジネス局。コンテンツビジネス部の本田光範氏は、ソーシャルメディアやアプリを活用した番組づくりについて紹介してくれた。
コンテンツビジネス部
兼 営業局 営業開発部 主事
本田光範さん
サッカー番組『FOOT×BRAIN』では、フェイスブック、ツイッターを使って、視聴者アンケートをおこない番組づくりに活かしているほか、番組視聴体験を共有する番組チェックインアプリもiPhone向けに展開。『たべコレ』は、スマートフォンアプリと連動したクチコミグルメ番組。『大橋未歩のシューカツ魂!』では、ニコニコ動画の「ニコ生」で、番組本編をはさんで90分程度の生配信も行っている。
「テレビ東京は“旅・グルメ”のイメージが強いので、このジャンルで、スマホ時代がくるということで何かやりたいと話していました。そこで『たべコレ』ではPCやフィ-チャーフォンではなく、スマホオンリーにフォーカスしてスタートしました。」(本田氏)
番組のウェブやアプリはどうしても放送に依存する傾向がある。放送直後には瞬間的にアクセスやダウンロードが増加するが、それ以外のすきまをソーシャルメディアで埋めていくというのもねらいのようだ。
このほかに「旅・グルメ」ジャンルでは、『虎ノ門市場』(お取り寄せサイト)がすでにビジネスが軌道にのっており、現在はテレビで紹介した宿を予約できる『厳選いい宿』も展開している。こうした取組みによって放送日以外の接触機会の増加を図っているが、テレビ東京では、訪問者に長くサイトに滞在してもらうために、サイト改善にも着手している。
少しでも長く滞在して、さまざまなコンテンツを見てほしい
テレビ東京では、訪問者にできるだけ長くサイトに滞在してもらうため、インフラから改革を行っている。デジタル業務部部長 加藤和昭氏は、その経緯を次のように説明する。
コンテンツビジネス局
デジタル業務部 部長
加藤 和昭さん
「最近は、トップページよりも、検索エンジンから直接番組ページに来る人が多い。そういう人たちは目的の情報を見るとすぐに帰ってしまいます。来てくれた人にサイトを回遊してもらいPVをあげるため、昨年からレコメンドエンジンを本格導入。これまでの番組宣伝サイトから、ホームページサイトそのものでビジネスをしようということで、インフラ構築も昨年から始めています。」
「箱根の宿」や「ラーメン」――そうしたキーワードでサイトに来てくれた人に、次々と関連コンテンツを提示してサイト内を回遊してもらう。そうした状態を目指して、コンテンツのデータベース化にも余念がない。
「番組のコンテンツは、報道、旅・グルメ情報を中心にデータベース化して、いろんな形で利用できるようにしています。そのために番組制作スタッフは、かなり苦労してメタデータも含めて登録しています。そうしたデータがたまっていけば、いろんな展開ができるかなと思っています。」(加藤氏)
「虎ノ門市場」や「厳選いい宿」へもつながっている
