初期作業の目安は3~4日、広告主はシナリオ設計に集中
ユーザーの置かれている状況ごとにコミュニケーションするシナリオを考えて――とは、かなり前から言われていたことではある。だが「どう実現するか」というところで、手助けになる有力なツールがなく、高度な運用体制を築けるかどうかは担当者の力量に大きく依存していたのではないだろうか。
「従来は、運用・管理がすごく大変だったんでしょう。それがDSPという共通のダッシュボードができて、複数の広告ネットワークへの配信を一元管理できるようになったことで、ものすごく運用作業が簡素化しました。『これだけ簡素化されたんだったら、もっとやれることはあるんじゃないか』と、今後はユーザーごとのシナリオをしっかりと考える企業が増えてくるのではないでしょうか」
なお、ここまでに取り上げてきたような運用をBypassで実現するには、既にPC向けのDSPなどで慣れている企業なら、初期の作業に掛かる作業期間の目安は3~4日程度。慣れてない企業でも、弊社DSP事業部のコンサルタントがサポートすることで広告主、広告代理店は前途説明したような、オーディエンスマネジメントとシナリオ設計に集中することができる。
顧客開拓が順調なBypassの課題は広告在庫の確保と新機能開発
同社DSP事業部の二戸有紀氏によると、Bypassを利用中の広告主数は約80社、キャンペーン広告数は約290件(2012年8月時点)となり、2012年4月のサービス開始以降増加するペースはますます勢いを増している。
「広告主様・代理店様はターゲティング機能を重視される傾向があるのですが、Bypassのターゲティング機能について説明すると『充実している』と評価いただけますね。競合のDSPと比較されることはほとんどなく、『この機能はBypassにしかないから』と導入いただけることが多くなっています」(二戸氏)
Bypassの今後については、「海外への進出を視野に入れているのと、機能面をさらに充実させていきたいと考えています」と岡部氏。
9~10月には複数のSSPとの連携が完了する見通しで、現状で30億ほどの広告在庫を、早期に100億まで持っていきたいと意欲的だ。
「あとは広告配信の最適化にかかわる機能と、オーディエンス・ターゲティングを意識した機能を急ピッチで開発中です。Bypassをご利用いただいている広告主が、もっと大きな規模でプロモーションを展開しつつも、手間を掛けずに最適化できるようにしていきたいです」(岡部氏)