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COLUMN

「モバイル広告は、もはや広告という狭い領域の中で完結するものではない」モバイル広告の変遷と未来

スマホの登場がモバイル広告に及ぼした変化

(左)青山学院大学 経営学部 教授 小野譲司先生
(右)デジタルハリウッド大学 学長 杉山知之先生

小野:スマートフォン広告が登場してきたのはここ3年くらいでしょうか。スマートフォンという新しいデバイスが出てきて、新しい可能性を示してくれた「iButterfly」という作品がありましたね。

第9回(2010年)モバイル広告大賞 マーケティング部門 優秀賞

杉山:これはARという楽しい機能があって、蝶ちょを追いかけて捕るというものでした。でも、新しい技術が盛り込まれて面白いだけでは、マーケティングという視点では評価は弱いですよね。

 ガラケーの時代は、様々な制約がある中で、想像力とクリエイティビティを駆使して施策を行い、マーケターは力を発揮していました。それがスマートフォンになったことで、戦いの領域はぐっと広がりましたね。何でもできるからこそ何をすればいいのか、という問題もありますが、表現の器としては広がりましたよね。

根幹は自社のビジネスモデルや顧客を知ること

小野:さっきのマクドナルドのクーポンもそうですが、日本交通の全国タクシー配車アプリの事例も、その会社のことをよくわかってないとつくれない施策です。

 タクシーのビジネスでは固定客で儲けている会社も少なくないようです。会社によっても異なりますが、街中で走っている流しの売り上げは20~30%で、法人契約やアプリを使うような固定客で顧客の売上が大きいビジネスだそうです。日本交通にもその傾向が当てはまるとすれば、自社の客層やビジネスモデルとアプリの施策は非常にフィットしています。

第11回(2012年)モバイル広告大賞 マーケティング部門
  ベストイフェクティブネス・ベストユーズオブテクノロジー受賞

杉山:タクシーを呼ぶなら、日本交通がいい、そんな人は多いですよね。

小野:僕も日本交通を選びますね。お客さんを乗車させるときの運転手さんの態度も全然違います。結局、こういうアプリを使ってもらえるというのは、日本交通がサービスの革新や改革をこれまでも行ってきた結果、顧客に支持されているからとも言えるでしょう。アプリの優秀さだけでは語れない、そんな好例です。普通のタクシー会社を、アプリまでダウンロードして指名するかとなった時、それは日本交通の場合とは異なるでしょう。

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この記事の著者

安成 蓉子(編集部)(ヤスナリ ヨウコ)

MarkeZine編集部 編集長
1985年山口県生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。専門商社で営業を経験し、2012年株式会社翔泳社に入社。マーケティング専門メディア『MarkeZine』の編集・企画・運営に携わる。2016年、雑誌『MarkeZine』を創刊し、サブスクリプション事業を開始。編集業務と並行して、デジタル時代に適した出版社・ウェブメディアの新ビジネスモデル構築に取り組んでいる。2019年4月、編集長就任。プライベートでは2児の母。

★編集...

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MarkeZine(マーケジン)
2013/05/27 17:00 https://markezine.jp/article/detail/17711

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