アプリによるプッシュ通知でアテンションを継続
MZ:利点が多いアプリの展開ですが、逆にアプリ戦略の難しい点はどのようなところですか?
庵原:大きい点は、最初にダウンロードというハードルがあることです。そこを越えてもらうために、当社のこれまでの事例でいうと、元々ファンがついているテーマや切り口との相性がいいですね。
例えば、タレントを看板にしたカタログ・コマース系アプリでは、隙間時間に使うことを想定し、スムーズなページ遷移やオフライン環境でも閲覧できる点などに注力しています。また、プッシュ通知によってアテンションを継続させ、アプリやPCサイトへの誘導を促しています。ファンという切り口以外ですと、キャンペーン的な活用が多いでしょうか。
加藤:キャンペーンだと、何らかのインセンティブをつけてダウンロードしてもらうなども容易になりますね。その部分では広告とのシナジーが期待できると思っていて、広告で訴求してアプリダウンロードへつなげるといった統合マーケティングソリューションを提供できればと考えています。
目的ありきですが、メーカーなら製品カタログ、メディアならコンテンツと、アプリに適用できる資産はそれぞれの企業が自社内に割りと持っているのではないでしょうか。
マーケティングツールとしてのアプリの活用を支援
MZ:最後に、「Yahoo! アプリエンジン」を介した今後の展望をお聞かせください。
加藤:一度操作してもらうと分かると思いますが、「Yahoo! アプリエンジン」は技術的な知識がなくても、クオリティが高いアプリを作成し公開するまでの一連を簡単に行うことができます。顧客や将来の顧客とのより密なエンゲージメントを築ける、優れたアプリの公開・運用の支援に加えて、広告をはじめとする既存の当社のソリューションと組み合わせて、トータルでマーケティング課題の解決を目指したいと考えています。
マーケティングツールとしてのアプリを、どうしたらこの市場でもっと柔軟に活用できるのか、当社も探っていきたいところです。
庵原:アプリはアイデア次第でさまざまなタイプのものを生み出せると思いますが、大事なのは制作ではなく運用です。以前、シティバンクでマーケターをしていたとき、マーケターにとってのユーザビリティーが低いツールやソリューションが多く閉口していたので、「Yahoo! アプリエンジン」はネイティブアプリの運用のしやすさにこだわりました。今後もインターフェースをさらに追求し、また今回のリリースを機にアプリならではの機能を続々と追加していく予定です。