既存顧客へのアプローチ、本当にできてる?
では、現状では新規と既存顧客それぞれの確保にどのような手段が使われているのだろうか?新規顧客に対しては、アドネットワークやアフィリエイト、オーディエンス・ターゲティング、リターゲティングやリスティングなどさまざまな広告がアプローチとして有効だ。一方で会員情報などが取得できる既存顧客に対しては、メールマガジンでのアプローチが一般的。加えて、リターゲティングも、既存顧客への集客手段として使われている。
このように、既存顧客へのアプローチの手段は意外と限られている。しかも、メルマガの本当の効果について古谷氏は、「私たちの調査では、メルマガの開封率はおよそ15%程度。いわゆる“捨てアドレス”が使われていたり、興味を失っていたりと、本当にメッセージを届けられている割合はとても低いのが現状です」と解説する。
では、リターゲティングはどうだろうか?購入意欲が高まっている直近の訪問者に、閲覧した商品をプッシュできるリターゲティングは新規顧客には非常に有効な手段だが、「購入して1か月後のユーザーに」などの絞り込みができないため、購入直後の顧客にもバナーが出続けたりすることがある。
「ホテルの予約など、もう完了したのに延々とバナーが出るのを経験した人も多いと思います。これでは、伝えたい人に適したタイミングでプッシュできる方法とは言えません」と古谷氏は指摘する。
プライベートDMP活用で実現する、顧客への理想的なアプローチ
「リピーター対策、ロイヤルカスタマー対策などの既存顧客へのアプローチ策として、これらの手段にはまだ課題があるのではないか」と古谷氏は指摘する。そこで有効な例として、プライベートDMPを活用した、メルマガとリターゲティングを掛け合わせた施策が紹介された。
メルマガのように、まず会員向けに対象者が限られ、細かくセグメントができ、いつでも配信できる。また、リターゲティング広告のようにユーザーがネットサーフィン中に接触することができ、情報量は画像を使って豊富に伝えられ、またランディングページまで到達するハードルも低い。プライベートDMPを活用することで、両方のメリットを組み合わせた既存顧客への理想的なアプローチを実現できる。
具体的には、ページ閲覧情報で利用するcookieに、企業が有している自社会員データをひもづけて、対象者を明確にした上でバナー広告を出し分けるというものだ。トラッキングタグを用いて得たサイト内の行動情報を自社のDMPに格納し、会員データと融合させて、独自のデータベースを構築。それを分析して出稿に利用するため、「極端な話、セグメントした一人に向けてバナー広告を表示させることもできる」という。加えて、ある商品を購入するユーザー層の分析だけでなく、ある一定のユーザー層に何が売れているのかを分析することも容易だ。
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