ZMOTの時代に、顧客とエンゲージメントを築ける自社サイトとは?
店舗に足を運ぶ前に、口コミサイトやSNSで商品の評判を確認する。店舗で商品を手に取る時点では、すでに何を買うかが決まっている――今ではこのような購買行動も当たり前になっているが、「よく考えればこれはごく最近の話」と、サイトコア ソリューションセールス マネージャの吉田純一氏は語る。
「2004年、顧客が店頭で商品を見て数秒で購買を決定することを、P&Gが『FMOT(First Moment of Truth)』と概念化して打ち出しました。さらに2011年にGoogleが提唱したのが、冒頭で述べた“来店の時点ですでに決定済み”という『ZMOT(Zero Moment of Truth)』です。アメリカでは現在、消費者の70%が口コミサイトなどのレビューを購入前にチェックしており、また83%の母親がテレビCMで気になった商品を企業のWebサイトで調べている、というデータが出ています」
口コミサイトやSNSと同じ、もしくはそれ以上に消費者が参考にしているのが、オウンドメディアの代表ともいえる企業のWebサイトだ。これに注力することで、購買行動を後押しすることができる。
「ZMOTの時代にエンゲージメントを築けるWebサイトには、情報が常に最新であること、マルチデバイス、閲覧や行動履歴に応じた情報提供などが重要です。また、PDCAサイクルによる最適化を常に行えることもポイントになります」
スーパーマーケットチェーン事例:レシピを切り口に購買商品を提案
例えばマルチデバイスの観点からは、当然ながらスマートフォンサイトでの閲覧の最適化や機能の充実も必要だが、PCとスマートフォンを横断して活用できる仕組みを実装することで、よりよい顧客体験を創出することができる。
それを実践しているのが、オランダのスーパーマーケットチェーン「C1000」だ。東京のように人口と店舗が密集し、競争が激しい小売市場にて、同社はサイトコアが提供するデジタルマーケティング機能が統合されたWeb CMS「Sitecore CEP」を導入し、他店にできないエンゲージメントを構築している。
具体的に同社では自社サイトを使って、商品単位ではなく食事のメニューを切り口に、次のような仕組みを構築している。まず、ユーザーが自宅などからサイトのマイページにアクセスし、作りたいメニューを選択。あらかじめ自宅にある材料を登録しておくと、買うべき商品がリスト化されるので、それをスマートフォンなどで見ながら店舗で効率的に買い物ができる。もちろん、オンラインでそのまま購入することも可能だ。
そして、リストを出先にいる家族にアプリで共有し、買ってきてもらうことも可能だ。最寄りの店舗を選べば、買い回りの順番まで表示されるので、普段その店舗での買い物に慣れていない家族でもスムーズに済ませられる。
「さらに素晴らしいのは、メニューの作り方の動画を用意するなど、購買後のフォローまでしている点。非常に“おもてなし”の精神の効いたデジタル戦略だと思います」
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