海外勢に日本も負けていられない
フリークアウトのオフィス・Hills-Garageにおいて、4月15日、「Tech-InnovationNight」が開催された。同イベントにはクリエイターズマッチ、KAIZEN platform、Intimate Merger 、mediba、フリークアウトの5社からキーマンが登壇した。
イベント全体のモデレータを務めるのは、mediba CMO 兼 スケールアウト 取締役 CMOの菅原健一氏。「今回のイベントのテーマは、テックイノベーション。海外に面白い会社がたくさんある一方で、日本も負けていられない。というところから、このイベントのアイデアが生まれた。日本の最先端の活動をしているトッププレイヤー企業を集めて、その生の声や実際にやっていることを、代理店、メディア、そして広告主にきちんと伝える機会を作りたかった」と菅原氏は、同イベントに込めた思いを語る。
数字だけでは勝ちクリエイティブを見つけ出せない
「運用型広告時代のクリエイティブオプティマイズ」というテーマで登壇したのは、クリエイターズマッチ 代表取締役 CEOの呉京樹氏。同社は2007年に創業。もともとはバナーとLPの制作に特化した企業であったが、数年前からアドテクノロジー業界に参入。バナー広告などのアドクリエイティブ制作管理システム「ADFlow」に加え、DSPや第三者配信と連携し、バナー原稿・入稿ファイル・入稿情報を一元管理できる「ADFlow Banner Pool」も提供している。
直近3か月における、バナーとLPの総合制作本数は約5,000本。広告主や広告代理店から大量のバナー制作案件を一括受注し、クラウドソーシングを通して全国のクリエイターに制作を依頼。同社は制作面における品質・納期管理を行い、納品する仕組みだ。また、現在は総勢で200人程度のバナー職人を抱えているという。
そんなアドクリエイティブ制作に長けている同社だが、「みなさんは、実際に勝ちクリエイティブを見つけていますか?弊社は創業から約10万本のバナーを制作してきたが、最終的に見つけている企業はほとんどいないように感じている。それはつまり、『数字だけでは勝ちクリエイティブを見つけ出せない』ということではないか」と呉氏は問いかける。
同社が提供する「ADFlow」は、カオスマップにおいては「Creative Optimization」に位置する。「クリエイティブオプティマイゼーションとは、基本的にはA/Bテストを繰り返して、勝ちパターンを見つけていくこと」と呉氏は語る。
制作現場で常に出てくる「勝ちクリエイティブを作りたい」というフレーズ。その理由としては、「A/Bテストでは、数値による勝ち負けはハッキリするものの、その理由がわからない」「数値だけで論じると、感覚的におかしな結論に」といったこと等が挙げられる。つまり、数値結果だけでの分析には限界があるのだ。
「バナーやLPは、制作を進めていく中で、どこを改善すれば効果が上がるのか、わからないことが多々ある。我々が目指すのは、その課題の発見をサポートすること。そのために、サービスを提供していく」(呉氏)