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MarkeZine Day 2025 Retail

MarkeZine編集部が行く!ネットショップオーナー探訪

第2回 「北国からの贈り物」


いきなり、月商100万円!

編集部
楽天へはいつごろ出店したのですか?
加藤
楽天は、99年に出店しました。楽天に出店した時点で自社サイトは一旦閉鎖しましたね。2つのサイトを運営する労力はさすがに無かったので。結局、組織が15人ぐらいになった時点で自社サイトを復活させました。99年の11月に楽天に出店した時はカニ屋さんは20軒ぐらいありましたね。その当時、全体での出店企業数は2,000軒ぐらいで。私的にはとにかく値段を下げたかったので、最初から原価ギリギリで販売しました。
編集部
最初から、原価ギリギリですか(笑)。
加藤
はい(笑)。とにかく商売っ気が無かったんです。いま考えると、ものすごい恐ろしい商売をしていたと思いますよ(笑)。ただ、後から気づいたことなのですが、カニってある意味高価なイメージがあると思うので、普通の人では相場がわからないですよね。そこに激安でカニを売っているお店があったのは、当時インパクトがあったのではないかと思います。
編集部
確かに「カニの定価」ってわからないですよね。かに道楽にでも行かないと(笑)。
加藤
普通の人はそうですよね。そして、自社サイトで集めたメルマガ会員を楽天にもインポートしてメールマーケティングを行ったんです。その結果、11月に100万、12月に300万を売り上げました。
編集部
いきなり、月商100万円ですか!
加藤
自分でも、びっくりしましたよ。その要因としては価格とメール会員を引き継げたことと、画像にこだわったことだと思います。実家では、もともとカタログを使ってカニの通販もやっていたので、その写真を使うことである程度のクォリティのある写真が掲載できたんです。あとは、オークションへの出店や、楽天でのプレゼント企画もすぐにはじめました。
編集部
なるほど。
加藤
そして、それだけ売上があればなんとかなるだろうと思って、2000年の4月からネットショップの運営に専念しました。会社へは北海道の田舎に戻って設計活動をすると言って辞めて。
元々、北海道のために何かできないかとずっとは考えていたんです。それで、都市計画に興味を持って、設計事務所で働いていたのですが、30歳で結婚して子供もいたので、その子供たちのためにも北海道の自然を残したいと思ってました。そのためにも何の事業を興すかわからないけど、100億円の企業を作りたいとは思っていて。そこで、インターネットで事業を興したんです。ネットショップ専業となってから、はじめて注文もらったとき、お客さんから喜びのメールが来たんですよ、子供たちがすごい喜んでくれたって。それには感動しましたね。お客さんに返事をすると、お客さんからまた返事が戻ってきたりして。僕らのサービスを喜んでもらえることが、何よりも嬉しくて、頑張っていたらどんどん事業が大きくなっていった。そんな感じです。もともと、1人でやっていたときもわずかな利益があれば食っていけると思っていたので。あまりお金儲けがどうこうとは考えていませんでしたね(笑)。
編集部
そうだったんですか。ところで、カニ以外でも商品を扱っていらっしゃるじゃないですか? 売上の比率はどうですか?
加藤
やはり、カニ、魚介類の売上が7~8割ですね。

カリスマバイヤー、登場!

編集部
カニ以外はどこで仕入れてるのですか?
渡木
基本的に北海道の商品がキーワードなので、地元に出向いたり、フードショーに行ったりしてます。もちろん、インターネットでも探してますね。インターネットで探した場合はサンプルを取り寄せて、一度も顔をあわせないまま取引することもあります。当然相手も1回だけの注文だろうと思っていることが多いのですが、3日後ぐらいに倍の注文をしたりすることがあるので驚かれまね。他のネットショップさんから「北国さんに何か卸した?」とか探りの電話がはいったりすることもあるんですよ。うちで何か売ることになると気になるんだと思います。ジンギスカンとスープカレーの時もそうでした(笑)。
編集部
自分たちもいち早くその商品を扱いたいと思うでしょうからね。ところでスープカレーとか、ジンギスカンとかは2~3年前から東京でも流行ってると思うのですが、東京で流行りはじめてから仕入れたりするんですか?
渡木
スープカレーは、実際にリアル店舗で流行る前から売っていたと思います。もともと自分がカレーが好きだったということもありますが、インターネットで見つけて売ってみました。自分のモットーとして「カレーとケーキがキライな日本人はいない」というのがありまして(笑)。
編集部
確かにそれは言える(笑)。
渡木
しかし、スープカレーは一袋600円と高いので何かしらの理由がないと売れない。それは、新しさであったり、ブームであったり、具の大きさであったり、とにかくアピールポイントを明確にしました。ジンギスカンは、たまたまテレビの番組を見ていて、確かどっちの料理ショーだったと思うんですけど(笑)。これはいけるかもしれないと思ってすぐ業者に問いあわせて売りました。1週間で販売までこぎつけましたね。流行をキャッチすることも重要ですが、販売体制を早く整えることも大事です。ほんと、スピードが命ですから。あと、うちの場合は社内の決済も早いですよ。ジンギスカンを売りたいと言ったときも加藤の「いいよ」の一言で済みましたから(笑)。
加藤
何を売るのか? は毎日、試行錯誤の繰り返しですね。当然、仕入れたものがはずれたりすることもあります。ネットショップはわりと属人的な部分があって、店長の個性がすごく発揮されるのです。それは好き嫌いも含めて。バイヤーの年齢によっても注目するターゲットが違ってきます。例えば、私が得意とする層はファミリー層なんですが、逆に若い層は苦手です。そういったときに渡木のような若い感性があると違うターゲットに対しての商品を仕入れることができます。それぞれが個性を出せるような、そういった組織体制が作れるよう重視してますね。
編集部
北国さんの、お客さんの年齢層はどのぐらいなんですか?
加藤
カニを買う人は年配の方が多いですね。チーズケーキや「想いやり牛乳」などは、若い女性が多いです。スープカレーは一人暮らしの男性とか、単身赴任のお父さんに送ってあげる奥さんの声とかありますね。北海道は広く、色々な特産品があるので、まだまだ色んな可能性はあると思っています。

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この記事の著者

MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2007/02/06 18:53 https://markezine.jp/article/detail/200

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