理性ではなく感情に訴える!
編集部
ホームページを拝見していて、写真の撮り方が上手だなと思ったのですがページはどなたが作っているのですか?
加藤
企画チームの人間がつくります。うちは企画チームがページを作るんですよ。そこに制作チームがクォリティの高い画像をとってきます。3~4人で作りますね。
編集部
いちごのページとか、ほんと美味しそうですよね。思わず涎がでてしまいました(笑)。
加藤
ありがとうございます(笑)。ざーっと一日ぐらいでページは作りますね。写真については、技術的な部分というよりは、シズル感を意識しています。あたかも目の前の商品があってまさに食べようとしている瞬間を撮るように心がけていて。やはり、食べ物の場合は衝動買いに近いので、理性に訴えるというよりは、感情に訴えるような感覚です。ひとつのドラマを組み立てるように意識してます。
編集部
キャッチコピーはどうなさってるんですか?
加藤
キャッチコピーは、短く、インパクトがあって、一度見たら忘れられないものを意識してます。クチコミで広がるものを意識してますね。
編集部
北国流の考え方とかあったりしますか?
加藤
特別なことはないと思います。もう慣れしかないですね。あとは、売れている店舗さんを見てそれを徹底的研究する。量が質を生むと思いますよ。真似からはいって、もうひたすらアイデアを出す。確率論に近いですよ。
渡木
言葉をいくつか組み合わせることも大事ですが、読んだときのゴロも気にしますね。音の響きとか、言葉の切れ目とかも気にしてます。
編集部
キャッチコピーによって商品の売れ行きが左右されたりするのでしょうか?
加藤
しますね。キャッチコピーと写真は大切です。うちの場合はメールマガジンで最初に新商品を紹介するんですが、そこもやはりキャッチコピーが重要ですね。メールマガジンをクリックして、ページに来るじゃないですか? そのページを見た瞬間に買うか買わないかを左右します。
編集部
「命」なわけですね。
加藤
そうです。なので、どれだけキャッチコピーが重要か? ということをまず社内で認識します。それを常に意識することが大切ですよ。最初からうまい人はいないので、本の背表紙を見たり、電車の中刷りをみたり、常にキャッチコピーのトレーニングをしている感覚はありますね。あとは、トライアンドエラーです。私たちももよく失敗はします。たいがい、悩んだときは反響が少なかったりしますね。そうやって実践の中で身につけています。
あのチーズケーキがヒットした理由
編集部
最近ヒット商品はなんですか?
渡木
直近でブレイクしたのは、
チーズケーキですね。昨日楽天の人と話をしたのですが、レビューが2ヶ月で500件あったようです。楽天スイーツランイングでも1位を何回かとってまして。実はページではあまり謳ってないんですけど、とっても大きいんですよ、そのチーズケーキ。それで商品が到着して実物を見たお客さんが「なんだこりゃ!」と驚いてレビューが増えたんじゃないかなと。人間って、驚いたことがあったりすると、誰かに言いたいって気持ちがあるじゃないですか? それ以降は、レビューを見て買いましたと言うお客さまの声が多いですね。
加藤
最初はロングチーズケーキとして売ったんですが、惨敗したんですよ(笑)。最初食べたとき、味は美味しくて、かつボリュームいっぱいでこれはいけると思って。ロングチーズケーキとして、ボリューム、長さを強調した写真で売ったてたのですが、ほとんど売れなくて。
編集部
なるほど。
加藤
なんでこんな美味しいのに、値段も安いのに売れないのか? 社内で議論をしたんですよ。その結論として量ではないかと思ったんですね。男性の目線は量なのですが、女性の目線は違うのではないか? 食べるときの幸せ感であったり、小麦、ミルクなど、原産地の北海道にこだわっている点であったり。
編集部
それは、盲点ですね。
加藤
そう、それでコピーを書き直したりして。あと、チーズケーキの写真だけだと、黄色だけで変化なくつまらないので、生クリームをのせたりして、動きのある感じにしました。そして「業務用」という部分を強調しましたね。「業務用」だから、安く売れる。けど味は高品質だと。実はそのチーズケーキは有名なホテルやレストランに卸していたので、有名ホテル御用達というようなコピーも作って味も高品質だという説得力をつける見せ方にもしました。で、実際に商品届いたらボリュームがあって、さらにびっくりみたいな感じですかね(笑)。
編集部
ぜひ実物見てみたいです! チーズケーキ大好きなので、今度ぜひ購入させてください(笑)。
加藤
いまは、在庫切れなので入荷したらぜひ(笑)。おかげさまで製品の販売が間に合わなくなって、1ヶ月待ちにもなりましたから。このチーズケーキは、商品の見せ方・切り口によって売れた例だと思います。どうやって商品を売るか、色々考える過程が面白くて、色々試行錯誤して。当たって、お客さまからリアクションがあった場合は非常にうれしいですよね。リアルのお店でカニを買っても、店員に「美味しかったよ」と言ってくれるお客さんはなかなかいないですけど、ネットの場合はすぐにリアクションが来ますから。