「アニ☆ドル」の提供=テレビ番組の冠スポンサード
友澤:具体的に、どのように企画していったのですか?
明石:以前、同様にカテゴリの1社提供をしていただいていたことがあり、そのときに「スポンサーに対する好感度の向上」というのが成果として得られました。この経験を生かし、差別化が難しくなっている、通信キャリア業種の課題解決ができるのではないかと考え、高橋さんにご提案に伺いました。
他のクライアントのウェブ担当者様へ同じようなご提案をしても、なかなか納得と共感をいただくことが難しいのですが、高橋さんは一度聞いていただいただけで、ウェブにおいてもブランディングができるのではないかと、大きな可能性を感じていただき、企画を進めていくことになりました。
そこから、構成やデザインなどすべてを「どうしたらブランドイメージが向上するか」という観点で考えていきました。カテゴリのタイトル下に「Sponsored by SoftBank」と入れ、背景もグレーの星柄を配して通常のページとは違うことが分かるようにしています。その上で「アニ☆ドル」はGyaO! 内の一つのカテゴリとしてナビゲーションに掲載し、マルチデバイス展開で、顧客接点を増やしています。最も議論したのは、「アニ☆ドル」というカテゴリ名ですね。
高橋: 1カ月くらい議論を重ねた上で、ユーザーへアンケートをとって選びました。ユーザーに好感を持ってもらうための企画なので、ユーザーの声を聞かず、内部関係者だけで決めたものは却下ですね。当社は徹底的なデータ主義、かつユーザー視点の会社でもあるので、ユーザーの声を基準にものごとを決めていきます。
友澤:なるほど。このページに載っている動画コンテンツを再生すると、ソフトバンクのインストリーム広告(ビデオ広告)が流れると。
明石:アニメとアイドルのサイトにテレビと同じCMを出しても、ユーザーからの共感は得られにくいだろうという仮説から、高橋さんと相談し、既存のテレビ素材ではなく「アニ☆ドル」用にアイドルやアニメを起用したオリジナルのビデオ広告を制作しています。第2弾までは単発でしたが、第3弾からはストーリー仕立てにして、アニメやアイドル好きなユーザーが楽しめる内容にこだわっています。
動画本編の再生中にも、適度なタイミングでバナー広告が表示され、このページに滞在する間は常にソフトバンクとの接点が保たれる仕組みです。
アニメ本編の名場面を使い、若年層へ深い訴求を狙う
友澤:もう一つの「ダイヤのA」の施策は、どのような目的で行っているのですか?
高橋:これは若年層へのリーチが目的で、ビデオ広告シリーズ「ダイヤのS(SoftBank)」※では学割のサービスを訴求しています。すでに「アニ☆ドル」を展開していたので、GyaOのコンテンツ権利元との関係も生かしてアニメコンテンツをうまく活用したいと思い、開始しました。これも、単に認知を得るだけでなく、深く訴求したいと考えての企画です。
ビデオ広告シリーズ「ダイヤのS」…完全オリジナル台本によるインフォマーシャル
明石:「ダイヤのA」本編をテレビ放映の2日後から「アニ☆ドル」で配信し、かつ素材を活用したビデオ広告「ダイヤのS」を「ダイヤのA」本編前後に配信しました。これにより「ダイヤのA」ファンに「ダイヤのS」を見てもらうことができます。そもそも見逃し配信自体がユーザーには喜ばれるので「アニ☆ドル」の付加価値が上がり、それを支えているのがソフトバンクという構造です。
また、「ダイヤのS」を使用して、Yahoo! JAPANトップページでオリジナルの野球ゲームバナーを展開し、より多くの人に楽しみながら広告に触れてもらうことができました。
友澤:「ダイヤのS」自体はどう制作しているのですか?
高橋:絵は既存の素材をつないでいて、セリフは実際の声優さんに担当していただいています。本編ではまじめなキャラクターをおもしろく仕立てたり、緊張感のある名場面を切り取ってオチに使ったりと、もともとのファンが楽しめるようにしています。
映像の広告は、笑えるポイントがないとダメですね。ここでは監督がスマホの使い方を知らないとか、お金を節約しておかずが増えたとか、必ずすべてにオチをつけて締めています。ウェブはビデオ広告を見ていても周辺に情報があふれていますし、表現の自由の余地もあるので、テレビよりもその傾向が加速すべきだと思っています。