DSPを運用して成果を上げるポイントは?
高瀬:では、実際にDSPを運用して成果を上げるポイントを、サービス提供者側の視点から教えて頂けますか。
田辺:運用するときには、そのプロモーション全体のコンバージョンをみるべきですね。プロモーションの期間において、1つのDSPだけの運用結果で判断するのではなく、サーチのコンバージョンにどのような影響があったとか、一部分だけでなく、全体をみながら運用を行ってほしいですね。
高瀬:実際にDSP単体の結果だけを見て、CPAが悪いから終了、CPAが良いのでご予算/配信量を増やすという話にはよくなりがちですが、それは違うということですね。ポートフォリオのマネージメントをしたいのであれば、枝葉のKPIにとらわれて短期的に判断するのではなく、全体パフォーマンスを上げていく視点を持つべきです。間接的な部分の効果も含めて、全体を最適化して結果的に母数が増えるかどうかを重要視すべきですね。
田辺:はい。そうしないと、剪定を前提とした先細りしていくだけの運用となってしまいます。あとは、結果が悪かったときの原因を探すだけでなく、良かったときの要因も追求すべきですね。その分析を横串で行うためにはDMPの活用も有用でしょう。
松田:弊社としては、我々のDSPが強みとする自動最適化をかけやすい設計をして頂きたいということです。データがある程度たまらないと最適化はできないので、データがたまりやすい設計をするのがポイントです。
また、リターゲティングとオーディエンスターゲティングの両方を使って頂くことが多いのですが、CPAの結果だけを見て、結果的にリターゲティングだけに予算が偏ってしまうケースが多いです。リターゲティングはニーズが顕在化したユーザーへの施策、それに対してオーディエンスターゲティングは新規のユーザー獲得の施策なので、必然的にコンバージョンへの距離は異なるわけです。それを考慮した上で、バランスのよい運用をして頂ければと思います。
オーディエンスターゲティングのほうが、リターゲティングと比較してCPAが悪いのは、目的が異なるので仕方ないことで、そもそも同じKPIで判断していいのかが疑問です。結局は、マーケティング全体の設計をきちんとやりきれているか、というところにつながるでしょう。
高瀬:つまり、それぞれの接点における意図とKPIをふまえたうえで全体設計を行い、総合的に目標を追っていくべきということですね。
プログラマティック・バイイングで成果を上げる肝は“日々の運用”
高瀬:先にも述べましたが、弊社は運用に特化した専門事業を展開しているわけですが、御社にも運用をフォローアップするチームなどはあるのでしょうか。
田辺: ありますよ。私自身も、まれに携わります。
松田:基本は代理店さまに運用をお願いしているのですが、子会社に代理店があるので、そこは自分達でやっていますね。
高瀬:マーケターの方々は、ご自身でもよく勉強されていますし、代理店も必死にキャッチアップしているので、運用の中身についてもよくご存知です。でも、それをエグゼキューションするのは大変ですよね。広告主が求める運用レベルが高度化していく中、マーケティング・トレーダーの育成が追いついていないのではとも思います。運用領域の人材育成についてはどのようにお考えですか?
田辺: 弊社では総合代理店のメディア部などと向き合ったり、お客さまとコミュニケーションをとったり、可能な限り案件に携わります。実際に運用を行うのは代理店ですが、ツールを提供して終わりではなく、二人三脚で一緒に取り組みます。
松田:「MicroAd BLADE」の運用でいうと最適化が肝なので、そのための虎の巻をつくって、それを参考にして使って頂いています。
高瀬:虎の巻があると便利ですよね。弊社も参考にさせてもらっています(笑)。
松田:虎の巻の中身は管理画面の使い方などは一部で、設計における考え方や運用のシナリオにフォーカスしたものになっています。
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