ブランデット動画とは
ブランデット動画は、YouTubeなどの動画共有サイトの一般化や動画広告の盛り上がりと共に大きな注目を浴びるようになりました。2013年6月に発表されたeMarketerの調査でも、世界中のマーケターが動画広告と並んでブランデット動画を積極的に使いたいと回答しています(参考:For Driving Engagement, Digital Video Ads Beat TV by a Wide Margin)。
これまでにも多くのブランデット動画が制作されてきましたが、中には全世界で数千万単位で視聴数を獲得する事例も登場しており、マーケターの間で無視できない存在になりつつあります。
では、ブランデット動画はどのような特徴があるのか動画広告と比較しながら整理します。
ブランデット動画と動画広告の違い
ユーザーの視聴態度
ブランデット動画と動画広告の大きな違いは、ユーザーの動画閲覧に対する視聴態度です。動画広告は基本的にはテレビCMと同様にユーザーが見たいコンテンツの再生前やコンテンツとコンテンツの間に流れるため、ユーザーに対して強制的に視聴させることになります。スキップ機能付きの動画広告の登場や、アドテクノロジーの進化・普及によりデータを元にユーザーが興味のある可能性の高い動画広告を配信できるようになったとはいえ、ユーザーストレスを100%なくすことはできません。
しかし、動画広告の優れた点は企業側で広告配信をコントロールできる点です。広告費を支払う事で広告到達人数が保証されます。また、広告のフリークエンシー設定により、ユーザーにブランドやプロダクトを記憶してもらうための最適な視聴数をコントロールできます。もちろん、時間帯や配信地域を絞り込む事も可能です。マーケターがその効果を計算しやすい点がメリットとなります。
一方ブランデット動画の場合、基本的にはユーザーが能動的に動画再生を行うため、動画広告に比べ閲覧ストレスは低いと言えます。また、コンテンツ自体をユーザーに面白いと思ってもらえればFacebookやTwitterなどのソーシャルメディアなどで拡散される事もあり、メディアコストなしで大きな広告効果を得られる可能性を持っています。
しかし、問題となるのは動画広告と異なりリーチが保証されない点です。動画を閲覧するイニシアティブが完全にユーザー側にあるため、ユーザーにとって有益なコンテンツでなければ、予算をかけて制作したが全く動画が視聴されないという事態も起こりえます。
そのため、単なる企業の宣伝というよりも企業側が発信したいメッセージを含みつつも、ユーザーが見たいと思うようなクリエイティブ制作が求められます。
以下は動画広告とブランデット動画を比べた表です。動画を活用したマーケティングにはマーケターが双方の特徴を認識し、目的に応じて使い分ける知識が求められます。
動画を活用したマーケティングにはマーケターが双方の特徴を認識し、目的に応じて使い分ける知識とクリエイティブ力が求められます。