データとクリエイティブのマッチングを推進
押久保:サイト以外の接点も含めて、どこに課題があるのかを見つけて直していくと。

須藤:ええ。この1年ほど、大量のサイトログを解析してきて、事業の成果に対して「どこがボトルネックになっているのか」をサイトに留まらずに特定できることが分かりました。
そこで、ユーザー体験全体から課題を抽出し、それを解決することによる事業への貢献を可視化して、優先順位をつけてレコメンドできるようにしました。ここでの課題を成長へのインサイト、“グロースインサイト”と言っていますが、これを発見して解決します(※グロースインサイトの機能は、現在クローズドβ版テスト中)。
滝野:M1やF1といったユーザー属性別、流入経路別、接触した広告別などのコンバージョンもダッシュボード上のプルダウンで簡単に確認・選択できるようにして、あらゆるユーザーに最適な出し分けを可能にします。一方で、現在500人ほどのグロースハッカーがそれぞれどのくらいコンバージョンを上げているかというログも取っているので、データとクリエイティブのマッチングの精度も高めていきます。
押久保:そう考えると、オンラインのすべての接点を連携させて見渡せるプラットフォームがないと、本当の意味でのコンバージョン最大化はできないともいえますね。
小川:そう思います。これまでのサイトの改善でも、平均52%というCVR改善が実現しているので、今後もさらに効果の最大化を実現していきたいと考えてます。企業のビジネス最適化の可能性は、無限大というと言い過ぎかもしれませんが(笑)、そのくらいの自負と思いがあります。
グロースハッカーのモチベーションを上げる仕組み
押久保:なるほど。グロースハッカーについてもう少し伺いたいのですが、クリエイティブをクラウドソーシングしているということですよね。
須藤:そうですね。既存のクラウドソーシングサービスと違うのは、女性向けのデザインが得意とか、さらに言えば「自分が主婦だから主婦の気持ちが分かる」といった各デザイナーの強みを効率よく発揮できる点です。例えばダッシュボードのプルダウンで「20代女性にコンバージョンの高いLP」「60代男性に~」などいろいろと試していくと、明らかに違うんです。女性には、おトクな訴求が受けているとか。そこで、得手不得手のマッチングを図ります。
小川:モチベーションの面で言うと、僕らの目標は時給5,000円。月収80万、100万も今は夢ではないところまで来ています。
大手企業のコンバージョンがそれこそ10%上がれば莫大な額になるので、実力のある人にそれを分配できる。また、既存サービスは基本的に一案件をひとりが請け負いますが、僕らはグロースハッカーの強みを把握して、女性向け、スマートフォンUI、など得意分野が共通するチームを組んで進められます。
須藤:仮に10人で分担できると、納期が短くなる、アイデアが活性化するほかに、1日数時間しか使えない人も能力さえあれば参加できます。すでに社内では実践していますが、働き方の多様化にも当社の事業が役立てば、と思っています。