IABと調査会社PwC USは20日、「IAB internet advertising revenue report」を発表。2014年上半期の米国インターネット広告収益は前年比15%増の231億ドルとなり、上半期の過去最高を記録した。
広告主のトップ3は、小売、金融サービス、自動車。これらで広告収益全体の半数近くを占めている。また、2005年から2014年までの第2四半期の収益推移を見ると、リーマンショックが起きた2008年の翌年に落ち込んだ以外は前年を上回る成長を続けており、この10年間の年平均成長率は16.4%となっている。
モバイルの収益は前年同期比76%増の53億ドル。うち、27億ドルがモバイル検索、25億ドルがモバイルディスプレイ、1億300万ドルがその他のフォーマット。ディスプレイ関連広告のひとつであるデジタルビデオは、前年同期比13%増の15億ドル。検索は前年同期比4%増の91億ドル。ディスプレイ関連広告全体の収益は65億ドル(前年同期比6%増)となり、デジタル広告収益全体の28%を占めた。
ソーシャルメディアの収益(ソーシャルネットワーキングおよびソーシャルゲーミングのウェブサイトとアプリを含むソーシャルプラットフォーム上で配信される広告)は、前年同期比58%増の29億ドル。
モバイル収益の成長は早く、シェアの推移をみると、2012年上半期に9%、2013年上半期に15%、2014年上半期で23%に達した。モバイルは複数フォーマットを含むため、その他の広告フォーマットのシェアを浸食している。
検索は以前として最大の広告収益を上げているが、モバイルとモバイル検索の成長を受けて、そのシェアを縮小している(モバイル検索はモバイルカテゴリに分類されるため)。モバイルの影響を受けてシェアが微減となったのは、検索、ディスプレイ、デジタルビデオで、クラシファイド、リード・ジェネレーション、リッチメディアはそのシェアを維持している。
収益のプライシングモデルについては、CPMが34%、パフォーマンスが65%、ハイブリッドが1%とほぼ前年同期と同じ結果になった。パフォーマンスは2006年にCPMを抜いて以降、主要なモデルであり続けている。
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