アワード「ヨルパネ!」で探ったクリエイティブの可能性
MZ:なるほど。事例が着々と出てきそうですね。
三和:そうですね。事例も集積して参考にしていただけるように、アドギャラリーを公開しています。アプリ版も準備中です。
MZ:効果的なリッチ広告を探る一環として、昨年はクリエイターと協業した取り組みを積極的に行われていました。こちらについてうかがえますか?
三和:7月から11月にかけて開催した「ヨルパネ!」と、それを受けて11月に行ったイベント「Yahoo! JAPAN アド・クリエイティブ・ハッカソン2014」ですね。
もともとの課題として、クリエイターの方々にとってYahoo! JAPANという場がどのくらい魅力的なんだろうか、という危機感がありました。ネットの広告賞は複数あり、私たちも毎年アワードを行っていますが、Yahoo! JAPANの出稿事例の受賞が比較的少ないんです。
リーチがある分、ユーザー環境に配慮すると、ある程度の制約が出てきてしまいます。ただ、私たちが自ら表現を狭めてしまっていないか、という懸念もずっとありました。
そこで、クリエイターの方々へのアピールと、もっと自由な表現を一緒に探るために、深夜1時から2時の時間帯に限って、Yahoo! JAPANのトップページの広告枠であるブランドパネルを解放したのが「ヨルパネ!」です。応募期間中は参考作品を掲載し、受賞作品は11月の発表後に掲載しました。
マスプロモーションにおけるYahoo! JAPANという場所の使い方を発信
MZ:なるほど。ハッカソンのほうは、どのようなイベントだったんですか?
三和:ヨルパネ!は自由テーマでしたが、むしろ広告主から決まっているほうがやりやすいという声もあったんです。そこで、趣旨に賛同いただいたサントリービジネスエキスパートさんをクライアント様として、参加クリエイターが一堂に会して丸一日で広告クリエイティブを制作・発表しました。
MZ:こちらも審査などされたんですか?
三和:はい、優秀賞のうち1作品のクリエイティブは実際にその後、Yahoo! JAPANのトップページで掲載されました(ハッカソン入賞作品「プレミアムモルツ/年末年始はプレモルで伝えよう。『ありがとう』のきもち」はこちら)。
MZ:広告メニューが豊富になると、クリエイティブの幅も広がっていきますね。最後に、今後のリッチ広告の可能性についてお考えを教えてください。
三和:実践を続けることで、マスプロモーションの中でYahoo! JAPANという場をどう使えばいいのかが見えてくると思います。それが見やすくなるような、例えば態度変容の可視化などにも取り組む予定です。
メディア、クライアント、クリエイターの三者で膝を突き合わせたり、広告会社とも話し合ったりしながら、どんどん新しいチャレンジを重ねていきます。
高城:リッチ広告に限らず、広告主様とユーザーのニーズのバランスが取れた広告が、いちばん目指す姿です。スマホでは、画面が小さい中でそういうリッチ広告を確立するのが、直近の課題ですね。また、スマホの効果指標についても情報を発信していきたいです。