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四家正紀のネオコミュニケーション遊談

Eメールの「生の声」からカンバセーショナルマーケティングへ~激変するオンラインマーケティングの未来~ (後編)


レノンとマッカートニーから、時代全体を紐解く

四家
確か、喜山さんが行ってた大学は理工系なのに文芸批評の授業があって…。
喜山
はい、文芸批評家の江藤淳の講義がありました。
四家
いや、何でこの話を振ったかというと、なんと喜山さんは音楽のほうでも紐解かれているですよね。
喜山
あ、ギク。(^^)
四家
経営工学を学びながら江藤淳、そしてマーケティングを手がけながらビートルズ。
喜山
下手の横好きといいます。
四家
『ビートルズ:二重の主旋律―ジョンとポールの相聞歌』、これがまた衝撃的でした。
喜山
これは、毀誉褒貶が激しかった。(^^)
四家
しょうがないです。それだけ多くの人に激しく愛されているので。僕も高校生のころからほとんど全曲聴いていたファンだったんですけど、こんな風に文芸批評的アプローチでビートルズに迫れるんだと単純に感動しました。その面白さに。
喜山
ありがとうございます。音楽作品という表現を通じた対話が、ぼくも面白かったです。レノンとマッカートニー。色んな話してるな、と。
四家
ただ、残念ながらこの面白さはビートルズを聴いていないとちょっとわかんないんですよね。
喜山
それはもちろん。できれば、知らない人が読んで、ビートルズを聞きたくなったといければ、いいわけですが、そこまでは、まだ修行中です。
四家
そういう意味では、僕はこの本を楽しむことができてラッキーだったんです。ビートルズファンでよかった。
喜山
思いがけず共有できて嬉しいです。仕事の話をしているのに、突然、ビートルズ本の話題ができると嬉しいですね。ネット的、ブログ的つながり方のような気もします。
四家
確かに突然という気もするんですけど、そうでもないような。さっきも出たけど、ネットでダイレクトコミュニケーションが活性化するなかで、個人の資質みたいなものが問われるようになるじゃないですか。特にマーケティングなんて仕事をしていると自分の中の今まで仕事に使ってなかった要素まで投入することになるんじゃないかと。そして、この本ももともとメールなんですよね。
喜山
はい、メールマガジンです。
四家
やっぱり通常の文芸批評より「生の声」に近いところがあると思うんですよ。構成はとても緻密なので「生」ではないと思うんですが。
喜山
ジョンとポールの対話としてビートルズ作品を見ているので、そうかもしれません。
四家
二人のソングライティングを二人の対話と見たときに、全く新しい解釈が生まれたわけですね。紐解きですね。そしてレノン-マッカートニーから、時代全体の紐解きへとつながっていく、このあたりがスリリング。
喜山
新しくない、という声もあるわけですが(苦笑)、ぼくとしては、耳を澄まし甲斐のある対話でした。これは本になっていませんが、実はビートルズ解散後の方がもっとそうなんですね。紐解き甲斐のある対話をしている。
四家
ああ、解散後については結構いろんなこと言われてますよね。ただなんか、世間で言われていることは表面的というか。続編出してくださいよ。…なんて、勝手な要求ですね(笑)。
喜山
解散したら二人はほとんど会っていないので、対話が必然的にメタフィジカルになるんです。そこが味わい深いです。関心の規模からいえば小さなマーケットでも、成り立つ形は模索したいですね。
四家
なんかできそうな気がしますよ。この対談シリーズもほんとは書籍化してみたいんですけど、ちょっとまだ難しい。模索してます。
喜山
チャットの持つ即興的な時間性が、キーワードのような言葉をポンポンと生み出していくようなイメージはあります。立ち止らない、ランニングパスのような。
四家
そうなんですよね。ランニングパスの生む価値を紙に定着させてみたいんですけどね。ライブアルバムみたいな感じで。
喜山
速攻本ですね。
四家
ただ、ライブアルバムみたいに、結構後から手を入れる(笑)
喜山
でも、ライブ感を損なわない。
四家
そうですね。ライブ「感」かなと。それこそ「生の声」。
喜山
「生の声」は出たとこ勝負なところが面白いですね。何が飛び出すかわからない。
四家
何が飛び出すかわからないけど、飛び出したものをきっちりまとめられている。
喜山
飛び出す声に応じることがすでに、新しい価値を生み出すというような。インタラクションには相互変化の契機があるのが、救いというか、やり甲斐というか、ですね。
四家
相互変化の契機…相聞歌ですね。やっぱりつながってるんですね。
喜山
あ、ほんとだ。(苦笑)

次のページ
これからも「なぜ」を紐解いていきたいですね

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この記事の著者

四家 正紀(シケ マサノリ)

株式会社カレン次世代ビジネスリサーチ室長。インターネット広告の草創期からWebマーケティングに携わり、現在はカレンにて次世代販促コミュニケーションについての研究活動と、ブログマーケティング・ブロガーリレーションズ案件のプロデューサーとして活躍。寄稿、講演多数。 ブログ カレン次世代ビジネスリサーチ室ブログ

著書

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2007/12/03 17:56 https://markezine.jp/article/detail/2206

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