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第106号(2024年10月号)
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MarkeZine Day 2015 Spring(AD)

Buy-Side Onlyのプログラマティックビデオプラットフォームが提供する価値とは?

 「プログラマティック・バイイング(データに基づく自動的な広告枠の売買)」が急速に拡大し、その勢いは動画広告にまで及びつつある。この「プログラマティックビデオ」の牽引役として一翼を担い、2014年12月に米国にてプログラマティックテレビを発表した、株式会社チューブモーグルのアジア担当副社長のスーザン サロップ氏が、MarkeZine Day 2015 Springに登壇。「プログラマティックビデオ」の技術や先行事例、および将来の可能性について語った。

「プログラマティックビデオ」の需要の高まり

 デジタル技術の進化は、私たちの生活に様々な変化をもたらしてきた。旅行・交通業界では、「紙のチケットと時刻表」が「Suicaとスマートフォン」に置き換わり、求人業界も様々な就職活動サイトが登場し、就職活動時に「求人票」はほとんど見かけなくなった。

 そんな事例を出しながら、サロップ氏は「これから大きな変化が起きるのは、たとえばマーケティング/広告業界だろう」と語る。

株式会社チューブモーグル Vice President,Asia スーザン・サロップ氏
株式会社チューブモーグル Vice President,Asia スーザン・サロップ氏

 広告/マーケティング業界の近年の変化は激しい。ハード面ではテレビに加え、PC、特にスマートフォンの利用が拡大し、ソーシャルなどの新しいメディアも登場した。まさにマルチデバイス・新メディアの時代となっており、オーディエンス・ターゲティングも効果測定手法もどんどん複雑化している。当然ながらマーケターの仕事も複雑になっている。

 そして、動画配信に関しても、これまでの地上波に加えて、衛星放送やケーブルテレビによるチャンネルや番組の増加、さらにデバイスではPCやスマートフォン、タブレットからの閲覧により視聴環境は多様化している。

 訴求力のある動画は大変有用な手法だが、膨大に広がりつつある配信先に対して、いかに効率的に配信していくかが大きな課題となっているというわけだ。

 その有効な手段として、サロップ氏が挙げるのが「プログラマティックビデオ」である。プログラマティックを端的に言うと「テクノロジーによりデジタル広告の立案、実行、最適化、評価を自動化すること」である。

 中でも動画の配信を自動化した「プログラマティックビデオ」はこの5年間で急成長しており、2015年内には動画広告マーケットの約半分、そして2017年までに約7割に上る動画広告がプログラマティックで行われると予測されている。

講演資料(TubeMogul本社内部資料 2013年より作成)から抜粋、以下同

 サロップ氏は「プログラマティックビデオ」のメリットについて次の3つを挙げる。

  • 多様な動画広告の在庫が効率的に活用可能
  • 効率的にターゲットを選定でき、ブランディングのために素早く最適化が図れる
  • 戦略状況に応じて柔軟に変更が可能

 また、こうした作業をすべて1つのプラットフォームに集約させることで、費用削減効果も高いという。こうした「プログラマティックビデオ」のメリットは既に米国で高く評価されており、米国を代表する大手企業が活用している。

チューブモーグルの動画プログラマティックソリューション

 それでは技術的にはどのような仕組みになっているのか。チューブモーグルが2012年に提供開始した世界初の動画プログラマティックソリューションでは、同社のプラットフォームで、オンライン動画広告のプラン作成から購入、計測、配信最適化がトータルに自動化できるようになっている。

 モバイルエクスチェンジ、ソーシャルビデオエクスチェンジ、プレミアムパブリッシャーなど、様々な動画在庫のパートナーと契約し、その他にチューブモーグル独自在庫へのアクセスも可能。また、ホワイトリストによる配信、オーディエンス・ターゲティング、エリア・ターゲティング、ブランドセーフティ、ビューアビリティといった、約50種類の効果測定指標を持つ。

 チューブモーグルは米国を起点に世界中に15拠点を持ち、日本でも2013年3月より活動を開始している。わずか1年のうちに契約企業は95社から200社へと倍増し、顧客は様々な分野に渡る。「様々な業種がブランディング手法としてオンライン動画を重要と考えている」とサロップ氏はその理由を説明する。

 チューブモーグルは、ブランド広告主が安心して使える環境を整えることを第一に掲げ、こうした顧客に対して次のような3つの宣言を行なっている。

  • Built For Branding…ブランドセーフティ、予約型広告買付、定量調査などで「ブランド」の確立に貢献する
  • Buy-side Only…あくまで買い手側として、オンライン動画広告DSPのみに特化している強みを持つ
  • Transparency…ビューアビリティ、配信先可視化、YouTube最適化配信など、透明性を担保

 そしてこれらを満たすために、チューブモーグルプラットフォームには、ブランドを保護するために3レイヤー(サイト、ペーシ、プレイヤー)で配信管理を行う「Brand Safe」、RTB(リアルタイム入札)だけでなく予約型の在庫にもアクセスできる「Brand Access」、そしてインバナーだけでなく、プレロール配信面を活用した定量調査ができる「Brand Sights」の3つの機能が備わっている。

 サロップ氏は「優良な配信先から最も安い価格提示をしたSSP/エクスチェンジから買付け、細やかにビューアビリティを図ることができる。こうした最適化によって、最大限の効果を得ることができる」とBuy-side Onlyの動画プログラマティックソリューションの強みについて強調。

 そして、プラットフォームのダッシュボードについて実際に画面を提示して、操作性・可視性の高さなどを示し、「プラットフォームがなければ、すべて設定し終えるまでに何百時間もかかっていたはず」と語る。

 こうした動画プログラマティックソリューションによる最適化の結果、多くの広告主で予測を上回る結果を得ることができているという。

米国での動き〜プログラマティックテレビの台頭

 講演の後半でサロップ氏は米国の最新事例の話に触れた。こうしたプログラマティックビデオについて、米国ではさらにテレビ広告枠の買い付けにまで及んでいるという。

 チューブモーグルでも、米国にてGRP(延べ視聴率)単位でのメディア買付けが可能な「BrandPoint」を提供。テレビ&ネット視聴率調査会社ニールセンの「Nielsen Online Campaign Ratings」のGRP(延べ視聴率)データをベースに、バイヤーはターゲットの年齢・性別を選び、予算を入れると自動的に買い付けができ、さらに最適化されるというものだ。

 米国での発表以降、「BrandPoint」は順調に広がっているというが、その理由について、サロップ氏は次のように分析する。

 「『BrandPoint』によってクロスメディアプランニングと予算配分を一体化して単純化できた。そして、オンラインの視聴者に対して最適化された配信が確実に行なわれ、それがデジタルメディア上のターゲティングへも活かせる。

 さらにキャンペーンのパフォーマンスとオーディエンスリーチをビデオとオンラインで共有する際に共通指標を提供できることも大きい。そして、テレビのバイイング担当者は、過去のパフォーマンスデータの活用が可能となり、オンライン動画の在庫にリーチする機会を増やすことができる」

 チューブモーグルでは、2014年12月に米国にてテレビ広告枠をチューブモーグルプラットフォームから買い付けできる「プログラマティックテレビ」の提供を開始している。この特徴は、テレビの広告枠をオンライン動画広告枠のように簡単に取引できることだという。

 テレビ広告在庫は、チャンネルあるいはMSO(CATVを統括運営する会社)から専門のSSPを通じてチューブモーグルに提供され、このシステムにシームレスに連結している。10チャンネル以上のホワイトリストを含む60チャンネル以上から選択ができ、配信時間やエリアを限定して配信することもできる。

 サロップ氏は「テレビ広告業界は国によって状況や商習慣が異なるので、日本ではどのような形になるかわからないが、チューブモーグルはそうした国の習慣にあわせてサービスを柔軟に対応させている。今後に注目してほしい」と語った。

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この記事の著者

伊藤 真美(イトウマミ)

フリーランスのエディター&ライター。もともとは絵本の編集からスタートし、雑誌、企業出版物、PRやプロモーションツールの製作などを経て独立。ビジネス系を中心に、カタログやWebサイト、広報誌まで、メディアを問わずコンテンツディレクションを行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2015/04/21 14:00 https://markezine.jp/article/detail/22238