クリエイティブ制作から結果検証まで一気通貫で実現
クリエイター向けのCreative Cloudには、制作したコンテンツを管理する「Adobe Experience Manager」がある。これには企業が持っているさまざまなクリエイティブコンテンツと、クリエイターが新規に制作したコンテンツを自動同期する機能があり、新しいクリエイティブに更新する場合は自動的に企業側のクラウド環境に格納される仕組みになっており、それをAzure上に保管する体制が組まれたという。
コンテンツは本来、ターゲットとなるオーディエンスのアクションを促進するために作成されるものである。そのために、マーケティング側で分析した結果に基づきセグメントを分け、最適なクリエイティブを制作し、それをモバイルやPCなどデバイスによって出しわけることで、より効果的にキャンペーンを推進できる。この一連のプロセスの中で、データ管理や分析部分はAzure、コンテンツ管理やキャンペーン実行管理をMarketing Cloudが担当。これにより、高度な分析に基づく魅力的なコンテンツ提供を可能にし、効率的なOne to Oneマーケティングが実現できる。
例えばAzure MLで得たクラスタリングやレコメンデーションをMarketing CloudのAudience ManagerやCampaignやTargetにつなぐことで、より細かなターゲティングや精緻なレコメンデーションに活用できる。また、その結果をAzureのデータプラットフォームに蓄積し、蓄積されたデータを使い分析を高度化させることも可能だ。これらのクリエイティブ制作から保管、データの格納、分析、そして施策の実行と結果検証まで一気通貫で実現できるのは、Marketing CloudとAzureの連携ソリューションだけだ。
ハイブリッドなデジタルマーケティング人材育成の可能性も
本格的にデジタルマーケティングを推進するのならば、マーケターとIT部門それぞれのニーズに応じたシステム環境はもちろん、マーケティングとITの両方がわかるハイブリッド型人材が必要になるといわれている。業界全体で見ると、広告代理業者がSIerのスキルセットを吸収しようと努力していたり、反対にSIerも広告ビジネスやマーケティングの知識を得ようと努力しているケースが増えているという。
「Marketing CloudとAzureの連携により、マーケティング基盤として、技術的にマーケティングとITの融合が加速するのは確実です。マーケターに強い当社と、IT部門に信頼されているマイクロソフトがアライアンスを組むことと同様に、これまで垣根があったマーケティングとITの融合は人材の方でも進む可能性があります。デジタルマーケティングを進める上で、技術的なソリューション以外に、お互いの知見やノウハウが共通語として育っていくのは、これからの企業に必要なのではないでしょうか。
マイクロソフトもそうですが、弊社パートナーのソフトバンク・テクノロジーなどもIT部門とマーケティング部門、双方に価値を提供する支援サービスを提供しています。そういったベンダーに相談をしてみることも、具体的な解決策に繋がると思います」(上原氏)
既に多数の企業において導入実績のあるMarketing Cloud。今後はMicrosoft Azureとの連携により、機械学習による高度な解析に裏打ちされたOne to Oneマーケティング施策の効果を、更に多くのデジタルマーケターに届けるものと期待される。今後の展開に要注目だ。