SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

おすすめのウェビナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

『MarkeZine』(雑誌)

第100号(2024年4月号)
特集「24社に聞く、経営構想におけるマーケティング」

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラス 加入の方は、誌面がウェブでも読めます

広告運用の情報サイト「Unyoo.jp」出張所

今日から実践!ロジカルシンキングを身に付ける、4つのプロセス

 アタラ合同会社が運営するメディア「Unyoo.jp」から、コラムやキーパーソンへのインタビュー記事をピックアップして紹介する本連載。今回は、アタラ 取締役 COOの有園氏による、ロジカルシンキングの身に付け方に関するコラムの要約版です。

ロジカルシンキング能力を高める方法

 先日、大型案件獲得のコツに関するコラムを書いた。内容としては、提案書を作る際のコツ、そしてプレゼンのコツについて書いたのだが、それを実践するにはロジカルシンキングが大事である。ではロジカルシンキング能力を高めるにはどうすればいいのだろうか。これまでの自分のデジタルマーケティング業界の経験から、下記の4つのポイントがあると思う。

1、タイプの異なる人とディスカッションをする
2、ロジックツリーを作る
3、文章を書く、まとめる
4、主体性を持つ

その1:タイプの異なる人とディスカッションをする

 仕事の中で、自分が最も手っ取り早くて効果的だと経験的に感じているのが、ディスカッションをすること、議論をすることだ。ダラダラと打ち合わせをするのではなく、ロジカルシンキングを身に付けるためには、なんからの目的やゴールに向かって議論することが最も効果的だ。

 そして、議論する相手は、自分と似たような人、同じようなバックグランドの人ではなく、異なる趣味や経験の人、年齢や業種業界、職種も異なるタイプで、意見も異なる人と議論するのが良い。異なるタイプの人と共通の目的やゴールに向かって建設的に議論ができるようになると、実は、その時点でロジカルシンキング能力がアップしている。それはなぜかを紐解いていこう。

 意見が異なる人と議論をすると、前提にしている価値観や見解、そして、物事に対する個人的な洞察や物の見方が異なることに気づく。要するに、その人が背負っているバックグランドが違うのだ。そのような人と議論をしていると基本的な相互理解が欠落していて、話にならない、話が進まない、という経験をすることがある。その結果、これはお互いの性格にもよるのだが、ついつい感情的に激しく議論、あるいは、口論に近いような状態になったりする。

 そして、「このままではラチがあかない。ケンカになってしまう」と気づくのだ。その時に、感情的なままで物別れになってしまうのか。あるいは、活路を見出すように努力するのか。この事態を切り抜けるには、どうすればいいのかと考える。そうだ、考えるのだ。頭を使って考える。考えることが、ロジカルシンキングの第一歩だ。

何気なく使っている言葉の定義の違いを認識する

 基本的な相互理解が欠如している理由として、同じ単語で意味するところが異なる場合がよくある。例えば先日、「カスタマージャーニー」という単語が打ち合わせで頻繁に出てきた。でも、なんとなく、打ち合わせしているメンバーの話が噛み合わないなぁと思っていた。その理由は、議論をしている途中でわかったのだが、それは、「カスタマージャーニー」で意味することが微妙に違ったのだ。

 ある人の「カスタマージャーニー」は、インターネット上で取得できるデータで描くコンバージョンに至る経路のことだった。一方で他の人は、マス広告などオフラインのコンタクトポイント、店頭とECの2つのセールスチャネル、そして、インターネット上で取得できるデータも含めて「カスタマージャーニー」を考えていた。この食い違いが、話の前提の差異を生み、噛み合わない議論を招いた原因だった。

 このような違いを整理し、お互いを理解する。あるいは、「カスタマージャーニー」の定義をお互いが共有する。このステップを踏んでいくことが、ロジカルシンキングの土台を作っていく。自分の「単語A」の定義は、何を意味しているのか。あるいは、「単語A」の意味を他人がどのように解釈するのか。それを固めていくのだ。

 「単語A」の定義が明確になれば、それに基づいて「単語B」の定義が決まる。そして、次に「単語B」から「単語C」が派生する。そういう定義の連鎖が生まれる。このような感じで、土台となる単語や言葉、フレーズ、コンセプトなどの定義が明確になることで、その土台を礎にしてしっかりとした論理構成の骨組みが築かれていく。

 基礎工事が脆弱では、堅牢な建築物はできない。ロジカルシンキングの基礎工事は、他者も理解でき共有できるコンセプト、論理の土台となるコンセプトの定義を確立し、そこから、派生する概念を一つ一つ定義していくことだ。そして、意識して欲しいのは、他の人が理解でき共有できる定義をしていくことだ。

 ところで、ロジカルという意味では、他の人が理解できなくてもロジカル、あるいは、論理的なストーリーはあり得ると思う。しかし、ビジネスの現場では、他人に理解されない論理的な話をしても仕事にならない。

「エネルギー (E) = 質量 (m) × 光速度 (c) の 2 乗 だからさ、フィットネスクラブに通うと体重が減るんだよ。エネルギーを発生すると、質量が消失するからね」

 仮にこの話がロジカルだったとしても、「あのー、すみませんが、何言ってるかわかりません」という冷めた反応をされるのがオチだ。なので、仕事では、他人との相互理解を考慮しつつ、土台となるコンセプトを定義し、他者と共有していくことが大事だ。

会員登録無料すると、続きをお読みいただけます

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

次のページ
博報堂の敏腕コピーライターから学んだこと

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
関連リンク
広告運用の情報サイト「Unyoo.jp」出張所連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

有園 雄一(アリゾノ ユウイチ)

Regional Vice President, Microsoft Advertising Japan早稲田大学政治経済学部卒。1995年、学部生時代に執筆した「貨幣の複数性」(卒業論文)が「現代思想」(青土社 1995年9月 貨幣とナショナリズム<特集>)で出版される。2004年、日本初のマス連動施策を...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2016/05/13 08:00 https://markezine.jp/article/detail/24332

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング