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コンサルティング会社と電通・博報堂の能力に大差はない

 かつて私がGoogleに在籍していた際、Sales Strategy and Planning という営業戦略チームでシニアマネジャーをしていたため、Google Japan の営業戦略立案に関わっていた。

 この営業戦略チームは当時、APAC(アジア太平地域)で連携して活動していたため、私の上司はオーストラリアのGoogleに在籍していて(ちなみに、日本にも上司がいて、ダブルラインといって2人の上司が存在していた)、そして、同じチームのメンバーたちは、インド、シンガポール、中国、韓国など、みんな別のエリアにいて、常にテレビ会議でミーティングをしていた。

 このチームメンバーの多くは、コンサルティング会社出身者だった。上司はマッキンゼー出身のイギリス人だったし、他にもボストン・コンサルティング・グループやアクセンチュア、ブーズ・アンド・カンパニー出身の人がいた。その多くが、ハーバード大学MBA、スタンフォード大学MBA、オックスフォード大学MBAなどだった。

 ちなみに、その時のチームには私に3人の日本人の部下がいたのだが、3人とも大学院卒で、そのうちの一人は、コロンビア大学MBA-東京大学博士号取得、そして、博報堂のストラテジックプランナーを経てコンサルティング会社に転職した後に、Googleに入社。他の一人は、京都大学修士号取得の後に電通に入り、その後にGoogle に転職していた。

 つまり、何が言いたいのかというと、この営業戦略チームは、コンサルティング会社のバックグランドを持つ人間と電通・博報堂のバックグランドを持つ人間が入り混じり、Google Japanの戦略あるいはGoogle APACの戦略について日々議論していた。

 彼らとの仕事を通して、私が感じたことは、当然のこととして、彼らはみんな優秀で、戦略的思考回路を持っていて、そして、ビジネスの事務処理能力も高く、かつ、人間的な魅力もある人たちだった。

 ただし、マッキンゼーなどのコンサルティング会社出身者と電通・博報堂から来た人とを比較した時に、その能力に大きな差があるのかというと、私の目から見て、そこに大差はない。あるとすれば、英語ネイティブであるかどうかぐらいで、それ以外の点、例えば、マーケティングの知識や戦略的なフレームワークの知識、あるいは、デジタル広告に関する知識やその応用力には差がないということだ。

 最近の仕事で感じているのは、このコンサルティング会社と電通・博報堂がデジタル回りの競合案件でぶつかるケースが増えてきたということだ。その時に、この両者に能力的に大きな差異がないとすれば、差をつけるのは、デジタル回りの知識、特に、マスとデジタルを連携した広告の運用に関する経験と知識、そして、人的ネットワークではないかと思っている。なぜなら、やはり、日頃から付き合いがあって、情報交換や意見交換をしている人間同士の方が仕事を依頼しやすいと思うからだ。

 このような観点から、ブランドサミットへの参加は、電通・博報堂にとっても、コンサルティング会社にとっても意義があると思う。今後は、電通からの参加人数がもっと増えることを期待したいし、この7月には「電通デジタル」ができるわけなので、来年は電通と電通デジタルから大挙して優秀なスタッフを送り込んできて欲しい。

 マッキンゼーなどコンサルティング会社のマーケティング領域の担当者、電通・博報堂のストラテジック・プランナー、コミュニケーション・デザイナー、そして、マスとデジタルに精通したクリエイティブ・ディレクターなどが集い、ブランドサミットがさらに盛り上がることに期待したい。

本記事は「Unyoo.JP」の記事「ブランドサミット2016レポート:the Connected Age には、より戦略的で活発な議論を!」を要約・編集したものです。長編のオリジナルコンテンツを読みたい方は、こちらをご覧ください!

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この記事の著者

有園 雄一(アリゾノ ユウイチ)

Regional Vice President, Microsoft Advertising Japan

早稲田大学政治経済学部卒。1995年、学部生時代に執筆した「貨幣の複数性」(卒業論文)が「現代思想」(青土社 1995年9月 貨幣とナショナリズム<特集>)で出版される。2004年、日本初のマス連動施策を考案。オーバーチュア株式会...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2016/06/03 08:00 https://markezine.jp/article/detail/24510

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