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音楽PVが世界で最もシェアされるのはタイ!?ソーシャルメディアが音楽にもたらす影響とは

世界的に高エンゲージメントなタイの音楽PV、その内容とは

 では、ランクインしているタイの音楽PVから2つの内容について簡単にご紹介したいと思います。

 エンゲージメント数ランキング2位のGetsunova(ゲツノヴァ)は、若年層を中心に人気が爆発しているタイの男性4人組みバンドで、日本語の「月(ゲツ)」と、英語の「新星(ノヴァ)」が由来。バンドのスタイルは、バラードからダンスチューンまで幅広く取り込んだボーダレスなスタイルで、日本の音楽シーンにも馴染みやすいサウンドになっています。PVの映像も、ショートフィルムとしての完成度の高い仕上がりのものが多いのが特徴です。

 エンゲージメント数ランキング10位のLABANOON(ラバヌーン)はタイ南部出身のバンド。メンバーがイスラム教徒であるため、アラビア語で「牛乳」という意味の言葉をバンド名にしています。ドラムとギターだけの牛乳みたいにシンプルなサウンドというのがバンドのビジョンなのだとか。

 曲名の「แพ้ทาง」は日本語で「いらない存在」といった意味で、PVに描かれているのは、モテなさそうな少年が卓球や柔道、バスケ、ボクシングなどのスポーツで様々な美女と対決するという少しシュールな内容になっています。

日本の音楽PVが抱える現状

 グローバルには波及しづらい日本語の楽曲と同様に、これらのPVもタイ語で歌われ、かつサウンドも日本のポップミュージックと近い性質でありながら、異常なほどに高いエンゲージメント数を誇っています。このようにタイの音楽PVは、YouTube上での再生回数が1、2億回を超えるものが年間にいくつもあります。

 ちなみに、人口がタイの2倍近い日本において、1億回の再生回数を超える音楽PVはほとんどありません。過去のYouTube Rewindを確認し主要アーティスト名で検索するかぎり、過去に日本で発売され1億回再生を超えた音楽PVは以下の6本のみです。

図2:YouTubeに公開している1億回再生超の日本国内PVランキング
※出典:2012~2015年YouTube Rewind(日本)(https://www.youtube.com/user/theyearinreviewJP)の
音楽PVから1億回再生のPVを抽出。再生回数は2016/8/14時点

 さらに、過去1年間にYouTubeにアップされた音楽PVのエンゲージメント数TOP100をピックアップし国別で比較すると、なんとタイが圧倒的上位を占めるという、驚くべき結果が浮かび上がります。

図3:YouTube音楽PVエンゲージスコア国別ランキング:クリックで拡大
※出典:株式会社スパイスボックス自社ツール集計(調査期間:2015/8/14~2016/8/14)、
国内YouTubeにアップされた音楽PVの中で、エンゲージメント数が高い上位TOP100国別比較

 日本では、EXILEグループやAKBグループが安定して上位を占めています。ただ、世界のトップランキングになると上位にはまったく引っかかりません。ちなみに日本の音楽PVは世界のランキングだとTOP1,000圏外です。

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ソーシャルメディアに対してアクティブなタイの生活者

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この記事の著者

物延 秀(モノノベシュウ)

スパイスボックス 副社長。2006年スパイスボックス入社。プロデューサーとして大手企業のデジタル・コミュニケーションをワンストップで支援し、2012年以降はソーシャルメディアを中心とした「共感」と「話題」を生むコンテンツのプランニングとプロデュース、自社ソリューション開発を統括。2016年に事業統括責任者および執行役員に就任。2017年より現職。自社サービス:インフルエンサーマーケティング支援「TELLER」、コンテンツマーケティング支援「BRAND SHARE」、ROI分析プラットフォーム「THINK」、自社メディア:「newStory」自著:『新ヒットの方程式』~ソーシャルメディア時代は、「モノ」を売るな「共感」を売れ!~(宝島社)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2016/09/06 08:00 https://markezine.jp/article/detail/25096

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