未接触ユーザーの取り込みに成功
また、佐久間氏は効果を高めるために、Yahoo!コンテンツディスカバリーとインフィード広告それぞれで目的を分けて配信したという。
「Yahoo!コンテンツディスカバリーは、予防医学の考えや、医師の研究に基づく内容を中心にし、商品そのものにはあまり触れないコンテンツを潜在的なターゲットに配信しました。一方インフィード広告は、ターゲティングして配信できるため、記事コンテンツではありながら、商品価値や他社と比べたときのメリットなど、商品のより深い理解と購買意欲の向上を狙っています」(佐久間氏)
2つのソリューションを活用した結果、これまで行ってきた施策に比べ、多くのユーザーが記事コンテンツを閲覧し、これまで接触していなかったユーザー層とのエンゲージメントを高めることができた。
「まだ施策の途中で、かつ潜在層向けの施策であることから、すぐ購買などの数字に反響があるとは思っていません。ただ数ヶ月後に、これらの施策で接触して商品に興味を持ち、広告や実店舗などで再接触した際に、購買へのモチベーションにつながると考えています」(廣田氏)
ビッグデータや動画をフル活用して、より強力な施策へ育成
最後に、それぞれの今後の展望について伺った。佐久間氏は、「パーチェスファネル毎のユーザーインサイトを研究し、潜在~顕在層毎に適切なコンテンツを届けることでクライアントの課題解決につなげたい」と語った。
次に三山氏は、「なぜスカルプDなのかというメッセージや思いを届けるコンテンツ制作に注力していきたい」と語る。
「スカルプDといえばシャンプーのイメージが強いですが、実は頭皮ケアに着目したプロテインやスタイリング剤など、様々なニーズに対応できるよう商品ラインアップを拡大しています。そういった情報も、適切なコンテンツにしてユーザーに届けたいですね」(三山氏)
一方、廣田氏は、コミュニケーション全体の再設計を今後の目標に掲げた。
「例えばスカルプDをあまり知らないユーザーに対しては、コンテンツを活用してコミュニケーションを取り、すでに興味を持ってくださっているユーザーに向けては、検索やバナー、店舗など様々なところで接触をはかり、最終的には購入していただけるようなコミュニケーションを設計したいですね」(廣田氏)
そして宇都宮氏は、Yahoo!コンテンツディスカバリーのサービス責任者として、より良いコンテンツマーケティングを出稿主が行えるような支援を行っていきたいという。
具体的には、コンテンツ配信の窓口を作るだけでなく、制作部分までも請け負っていく。さらにYahoo!コンテンツディスカバリーに関しては、ヤフーが持つビッグデータを活用した独自のターゲティング機能の追加、動画フォーマットへの対応なども検討している。
コンバージョン偏重でリターゲティング広告を大量に出稿しているだけでは、いずれは顕在層のユーザーが少なくなり、効果が十分に出にくくなることも考えられる。今後、コンテンツを活用した広告出稿を行えるかどうかが、潜在層の取り込みの成否を左右するかもしれない。