PDCAは「ユーザー」を軸にして回す
続いて登壇したのは、マックグラフィックアーツ インフォメーションアーキテクトの宮内氏。BBQ GO!の立ち上げから設計、運用に関わっている同氏からは、「ユーザー視点でのPDCA」がサイト改善のためのポイントとして挙げられた。

「サイト運用において、PDCAを回すことは非常に重要です。ただし闇雲に回せば良いというわけではなく、軸となるものが必要です。その軸となるものこそが、ユーザーなのです」(宮内氏)
このような場合、ユーザーは架空の存在を作成しがちだが、同氏はそれでは実際のユーザーと乖離してしまうと語る。あくまで調査結果に基づいた、リアルなユーザーデータであることが重要なのだ。実際にBBQ GO!立ち上げ前には、アンケート調査を実施。調査対象は、プロジェクトチームの友人知人、プロジェクト外の社内関係者といった、身近な存在だった。
「お金をかけた大規模な調査でなくても構いません。実際の調査結果に基づく、リアルなデータであることが重要なのです」(宮内氏)
その後は、調査結果をもとに4名分のペルソナを作成し、その情報をもとにサイトの構成、画面の設計を進めた。これに加え、サイト公開前に2度関係者による簡易的なユーザーテストを行い、問題点を洗い出し、改善した。
「サイト公開前に、PDCAのサイクルを回したのがポイントです」(宮内氏)
サイト立ち上げ後も止まらないPDCA
こうして立ち上がったBBQ GO!だが、サイト立ち上げ後もPDCAを回し続けた。今回は外部の調査会社に依頼し、ユーザーテストを実施。これにより、公開前の仮説との差異を検証し、新たな課題を洗い出した。洗い出した課題は一つひとつ解決するのではなく、発生頻度と実際のアクセス状況、改善する際の工数や費用をもとに課題ごとに優先度を設定し、その順位ごとに対応を行った。
また、対応後は必ずアクセス解析を行い、効果を検証し、必要に応じて継続して改修を行った。これにより、アクセス数、離脱率、直帰率、滞在時間といった指標も改善したという。
「サイト立ち上げ後も、大きなものでも小さなものでも良いのでPDCAを回すことが重要です。その際に忘れてはならないのは、あくまでもユーザー視点で改善を行うことです」(宮内氏)