生活者(顧客)のインサイトからコミュニケーションを設計
目標KPIを明確し自社の事業におけるゴールから逆算し集客を図るには、「誰に」「何を」「どのように」メッセージを届けるか、コミュニケーション設計を行うことです。顧客ターゲットのインサイトを具体化するためにもペルソナを設定して、生活者(顧客)との関わり方を明確にすることが不可欠です。
顧客ターゲットの人物像を明確にするには、認知、情報収集など心理状況の違いや年齢性別、職業や興味関心などの情報をもとにペルソナの設定を行います。また、生活者(顧客)自身がどのような悩みを持ち、どのように課題を感じ解決したいのか、顧客ターゲットのインサイトを的確に捉えることが必要です。

また、前回の記事で解説した「アンケート調査」や「インタビュー調査」の手法を活用し顧客ターゲットの人物像をより明確にすることで、顧客ターゲットの行動導線をイメージしクリエイティブの訴求内容や表現方法、広告媒体の選定、配信設計へと具体的に落とし込みします。
顧客ターゲットの行動導線をイメージし広告設計を具体化
ペルソナ設定した顧客ターゲットの行動導線を具体的にイメージするには、生活者(顧客)に感情や行動を変えるために適切な人に適切なタイミングでメッセージを届けるために広告設計を行います。
広告設計では、「1.行動導線の設計」「2.メディアプランの策定と配信(ターゲティング)の設計」「3.クリエイティブ設計」を具体化します。
1.行動導線の設計
顧客ターゲットのペルソナ設定し、生活者(顧客)の行動と心理状態を二軸にわけて行動導線の設計をします。一つ目は、「ブランド認知・サービス理解」の視点で、生活者(顧客)が自社のブランドを認知やサービスを理解するためのメッセージをどう届けるか考えます。
二つ目は、「コンバージョンまでのモチベーション」の視点です。生活者(顧客)にメッセージを届いてからの時間と実際に商品購入やお問い合わせの行動(アクション)するまでのモチベーションの視点です。

実際に生活者(顧客)の行動を洗い出すことで、デジタル広告の運用をする上での集客の全体像を把握し必要なメディアプランの策定と広告配信の設計を行いクリエイティブ設計に落とし込みすることが大切です。
2.メディアプランの策定と配信(ターゲティング)の設計
デジタル広告の運用や集客をはじめるには、「メディアプランの策定」「配信(ターゲティング)の設計」が必要です。メディアプランの策定では、誰に向けてメッセージを届けたいのか、「ターゲット」「広告媒体」「掲載期間」「クリエイティブ」を明確にします。

たとえば、生活者(顧客)が、キュレーションメディアで情報を探しているタイミングと生活者自身が欲しい情報を能動的に検索して探している場合では、同じコミュニケーションでもメッセージを届け方も異なります。
実際の顧客ターゲット像に当てはめて、どのタイミングでメッセージを届けるか、広告媒体や掲載面など具体的なメディアプランの策定とあわせて、顧客ターゲットの属性(年齢性別)と広告掲載期間と掲載時間を具体化し広告配信のターゲティング設定を合わせて考えることが必要です。
3.クリエイティブの設計
メディアプランの策定と配信(ターゲティング)の設計と合わせて、どんなメッセージを伝えるか、バナーやLPなどクリエイティブの設計も重要です。
特に顧客ターゲット毎にバナーの訴求軸とランディングページを構成し適切なメッセージを適切なタイミングで届けることが必要です。似たような広告媒体なので、同じ広告素材を使い回すのではなく顧客ターゲットにどうメッセージを届けるかの視点で、実際に顧客ターゲットが行動(アクション)につながるために必要なクリエイティブ設計を行うことが必要です。
次回は、今回の連載内容を踏まえ、マーケティング予算を実際に決めたあとに集客を行う上でインフラを整備する必要があります。デジタルマーケティングを推進するうえで必要とマーケティングツール導入の検討と活用、データログの違い、ツール導入の注意ポイントについて解説します。