顧客接点とユーザー層の違いを理解する
次にファネル構造の中でデジタル広告が得意とする領域と、ソーシャル・CRMが得意とする領域を整理し、顧客接点とユーザー層の違いを可視化します。
具体的には「非認知層・認知層(無関心・低関心)」「潜在層(興味関心・理解促進)」「顕在層・見込層(情報収集・比較検討・購入意向)」「顧客維持・優良化(関係性強化)」の4つの分類について解説します。
1.非認知層・認知層(無関心・低関心)
自社ブランドの認知向上につなげるために、無関心・低関心の幅広いユーザー層へリーチを拡大し、メッセージを届けることで商品・サービスの世界観を伝えます。目的はブランドの認知度を高め顧客の理解につなげることです。
非認知層・認知層(無関心・低関心)でのターゲット設定と確認ポイント
- ターゲット:自社の商品・サービスに関して無関心(非認知)・低関心(認知)のユーザー層
- 目的:自社の商品・サービスなどブランドのイメージを記憶させることでブランドの認知を高める
- 効果:ブランド認知の向上、広告想起などブランドリフト効果を把握し顧客理解度を測定する
また、広告の買付方法を低単価で配信設定することで、短期的に大量の集客を行うことも可能です。
2.潜在層(興味関心・理解促進)
自社の商品・サービスは認知されているが、ユーザーのニーズが漠然として意識が低い状態にあります。ユーザーの興味関心の情報をもとに、商品・サービスの理解促進を促すコンテンツへ誘導し、訪問につなげることが大切です。
潜在層(興味関心・理解促進)でのターゲット設定と確認ポイント
- ターゲット:自社の商品・サービスは認知されているが、ニーズが漠然とし意識が低いユーザー層
- 目的:漠然とした中で潜在ニーズの持つユーザーに対して、コンテンツへ誘導し訪問につなげる
- 効果:興味関心や商品・サービスの価値が理解し、実際に顧客のアクションにつながったか測定する
潜在層には、興味関心の度合いや意欲の低いユーザーの理解促進につなげることが重要です。実際にターゲット設定したユーザーを、バナーやLPにきちんと誘導させることができるか把握しましょう。
3.顕在層・見込層(情報収集・比較検討・購入意向)
自社の商品・サービスは認知され意識も高い状態にあります。より詳細内容の理解や比較・購入を検討しているユーザーに、コンバージョンへの後押しを行い成果につなげましょう。
顕在層・見込層(情報収集・比較検討・購入意向)でのターゲット設定と確認ポイント
- ターゲット:自社の商品・サービスは認知しているが、より詳細な内容を理解するために情報収集を行う顕在ニーズを持つユーザー層。自社の商品・サービスに関して比較・購入を具体的に検討し、コンバージョンへの見込度合いの高いユーザー層
- 目的:ユーザーに説得力の高いメッセージや必然性を意識させ、コンバージョンへの後押しにつなげる
- 効果:サイト訪問ユーザーの訪問回数・訪問期間・滞在状況を分析し、具体的な成果につながったか効果測定する
サイト訪問ユーザーのアクションデータをもとに、コンバージョンへの度合いを判断し条件の絞り込みを行うことで、コンバージョンへの後押しを行い成果に結びつけます。また、必要以上にターゲットを絞り込みすぎないよう注意することが必要です。
4.顧客維持・優良化(関係性強化)
定着した新規ユーザーの顧客満足(CS)を満たしているのか把握しましょう。また既存顧客のリピート購入や、愛着心のあるファンによる商品・サービスの推奨や口コミによるシェアなど、顧客ロイヤリティを高めることが大切です。
顧客維持・優良化(関係性強化)でのターゲット設定と確認ポイント
- ターゲット:新規顧客で次回アクションを検討していない層。既存顧客でリピートを検討しているユーザー層。自社の商品・サービスに愛着心のあるファン層
- 目的:顧客の定着、離反を抑制し顧客との関係性の構築や強化につなげる
- 効果:新規顧客、既存顧客など顧客ステージに応じた顧客分析し顧客満足度(CS)、顧客ロイヤリティの効果、LTVを検証する
新規顧客の獲得・定着と既存顧客のリピートやフォローアップなど、顧客ステージに応じた転換率と離脱率を分析・効果検証し、改善につなげましょう。
また、顧客満足度(CS)向上の領域に限らず、ロイヤリティの高いファンを育成し、新規と既存のバランスを見て優先的に取り組む施策を検討することが必要です。