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定額制サービス成長の鍵は “パーソナライゼーション”

2018/02/28 07:00

 音楽ストリーミングサービス「Spotify」は、発祥の地スウェーデンでサービスを開始してから今年でちょうど10周年を迎える。世界61の国や地域で計1億4,000万のアクティブユーザーを擁し、日本でも2016年11月のサービス開始から右肩上がりで人気を伸ばしている状況だ。アジアのマーケティング責任者としての手腕が認められ、この1月からグローバルマーケティングを統括するソバジェ ジュン氏は、聴き放題の音楽ストリーミングサービスを成長させる要因について、「利便性はもちろんだが、パーソナライズを通して関係性が深まるほど離れられなくなる点が大きい」と語る。

※本記事は、2018年2月25日刊行の定期誌『MarkeZine』26号に掲載したものです。

世界で1億4,000万人が使うSpotify

Spotify Head of Consumer marketing, Global ソバジェ ジュン氏
パリ生まれ、東京育ち。カリフォルニア大学サンタバーバラ校卒業。広告代理店(米国)を経て、GAP(米国)にてGAPブランドのブランドマネージャーを担当。その後、資生堂グループ(米国)で「ベアミネラル」の日本を含むアジア太平洋地域(APAC)並びに南米を担当。マーケティングシニアディレクターを務めた後、再びGAPにてマーケティングシニアディレクターとして日本、さらに北米地域を統括。2016年6月にSpotifyにHeadof Consumer Marketing,Japanとして入社。Headof Consumer Marketing,APACを経て、2018年1月より現職。

――Spotifyは、聴き放題の音楽配信サービスとして日本市場には後発の参入でしたが、1年強を経て着々と浸透している印象です。まずサービスの概要と、他のサービスと比較した特徴をうかがえますか?

 Spotifyは2006年にスウェーデンで創業し、サービスとしては2008年に開始しました。当時、スウェーデンの音楽業界では海賊版や違法音楽データが横行し、それによって音楽セールスが激減していたことが課題でした。当然それではアーティストやライツホルダーに対価が適切に還元されません。そこで、誰でも無料で音楽を聴けて、かつアーティストらに還元される仕組みを作ることでこの問題を解決しようという考えが、Spotifyの生まれた背景にあります。

 その具体的な仕組みが、ベースのサービスを無料で提供する、フリーミアムモデル(フリー+プレミアム)です。無料だと楽曲の一部しか聴けないとか、聴けない曲もあるといったサービスモデルでは、違法で音楽を聴く人すべてを誘引できないからです。現状では4,000万以上の配信楽曲をすべていつでも、いつまでも無料で聴ける広告収益モデルのフリープランと、広告なし、高音質、楽曲ダウンロード可能などの付加価値がある定額制の有料プレミアムプランの両輪で展開し、世界61の国や地域・1億4,000万ユーザーのうち有料会員は7,000万人にまで伸びています。国ごとの数字は公開していませんが、日本でも拡大にとても手応えを得ています。

 音楽を楽しむ間口を広くとって、単なる音楽配信ではなく“音楽発見サービス”として新たなお気に入りの曲やアーティストとの新たな出会いを生み出すことが、私たちが特に大事にしている点です。

――無料プランは広告モデルで、有料プランは課金モデルということですね。音楽発見サービスとは、どういう意味合いでしょうか?

 まずフリーミアムであることで、誰もが気軽に使い続けることができます。それと、プレイリストをAIと人的な提案の2種類で数多く用意することで、ユーザーの好みにあった楽曲、アーティストとの巡り合わせのチャンスを生み出しています。

 人的な提案というのは、世界に60人ほどいる音楽の最新トレンドを把握したSpotifyの専門キュレーターが日々情報交換をしつつ、新しいプレイリストを作っているんです。DJのような感じですね。ちなみにプレイリストはユーザー自身が作成したり、友人と交換したり、一緒に作成したりもできます。

よく聴いている曲に、おすすめ曲が自動的にミックスされる。2週間ほどSpotifyを利用することで、そのユーザーの音楽的な好みを解析・反映する。
よく聴いている曲に、おすすめ曲が自動的にミックスされる。2週間ほどSpotifyを利用することで、そのユーザーの音楽的な好みを解析・反映する。


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