運用を前提としたディレクションのポイント
マスメディアであるテレビ放送用のCMであれば「One to Many」を意識した幅広い世代へ向けたアプローチが考えられる。一方、YouTubeをはじめとする動画配信プラットフォームやSNSでの動画配信の場合は「One to One」を意識したコミュニケーションが求められる。
小霜氏をCDに、エスワンオーインタラクティブのスタッフが加わったチームが検討したのがセグメントの切り方と、セグメントごとのWebCMの方向性だ。
「これはわりとすんなりと決まりましたね。番組に出演している『TEAM NACS』は、大泉洋さんや安田顕さんなどそれぞれのファンがいますから、一人ひとりのファンにフォーカスした全5パターン。
加えて、特番は小樽を舞台にした美食めぐりの旅という内容なので、旅モノ番組が好きなターゲットへ向けて1パターン。そして元々の『ハナタレナックス』ファンへ1パターン。それぞれ30秒と15秒の長尺・短尺で合計14パターン用意することにしました」(小霜氏)
※番組ファン向けは15秒と6秒
「Webでの運用を前提とした、小霜さんならではのディレクションでした。まず、それぞれターゲット設定が明快。そして、30秒・15秒・6秒と長短のバージョンがあるので配信プラットフォームと時間帯に合わせた配信は勿論のこと、各バージョンの反応をみながら配信内容を細かく調整し易い環境があったこともポジティブでした。」(高瀬氏)
「クライアントファースト」に立ち返る
「このプロジェクトにはいくつか『制約』がありました。予算が限られていて、使える素材が撮影済みの映像しかない。新たにロケに行ったりセットを組んだりして撮影するほうが、理想的なCM作りができるのは当然です。
でも予算や素材が潤沢に確保できないのであれば、どんな方法を使えばベストなCM作りができるかを僕は考えます。与件を活かしきってベストを目指すのがクリエイターでしょう。今回は番組素材が使えるので、それを編集し分けることでむしろ各ターゲットに緻密に響くものができるのではと」(小霜氏)
広告の世界ではよく「作品主義」か「クライアントファースト」かが議論になるけど僕は断然「クライアントファースト」、と前置きして小霜氏は続ける。
「クライアントはクリアしたい課題があるからこそ広告や宣伝に予算を投じるわけです。であるならば、広告作りでその『最適解』を出して課題解消を目指したい。それが僕のスタンスです。僕自身は『制約』ではなく『新しい挑戦』だと感じて楽しかったですね」(小霜氏)
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