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運用型広告時代の要!トレーディングデスク最前線(AD)

「クリエイティブ初動で運用コンサル同席がマスト」 小霜和也氏が考えるWebCMの企画作りに大切なこと

来るべきクリエイティブディレクター像

 小霜氏ならではの、パートナーとなるトレーディングデスクの役割とミッションを十分理解したうえでのWebCMディレクションは、エスワンオーインタラクティブにとってどんな機会になったのだろうか。

 

 「ネット上の広告配信と言うと、クリエイティブを膨大に自動生成して、配信結果から最適化していくケースも当たり前にあります。それはそれで、ネットならではのアプローチですし一つの手段として素晴らしいと思っています。一方でメディアの特性やターゲットセグメントを考え抜いてクリエイティブを作る、という場面がもっとあって良いと感じます。当たり前のことと感じると思いますが、そうでないケースも散見されます。

 そんな中、最初からメディアの特性や広告運用を念頭に置いてWebCMをディレクションする小霜さんと一緒に取り組む機会をいただき、トレーディングデスクとしてどのようなバリューが出しうるのかを学ぶ、貴重な経験をさせていただきました」(高瀬氏)

 現状では、運用に配慮したWebCM作りはレアケースだ。「運用ありき」のクリエイティブが浸透していくために、クリエイティブディレクションに関わる業界関係者に対して、小霜氏は次のように提案する。

 「最初から社内外の『運用のプロ』と相談しながらコンテンツ作りを進めるべきではないでしょうか。Webならではのターゲットセグメントをディスカッションせずに、いきなりコンテンツを作り始めてはいけない。作ってから、運用方針を決めるのでは手遅れです。ターゲットに合ったクリエイティブが存在しないのに妥協するのはちぐはぐなやり方です。 

 僕のようなCD的立場の人間が、運用側とクリエイティブ側とを行ったり来たりしながらコンテンツ作りをディレクションしていく必要があります。マスとWebを一続きにするデジタルクリエイティブの実現のためにも、これからのCDにはそんな役割も求められていくと思います」(小霜氏)

「運用ありき」を貫き、異例の完全視聴率を実現

 『ハナタレナックスEX~美食めぐりの旅・小樽編~』の番宣用WebCMはどんな成果を生んだのだろうか。

 「WebCMの場合、テレビCMの『視聴率』とは異なり、途中でスキップされることなく最後まで視聴された『完全視聴率』を指標として使うのですが、平均で約40%、最高50%超という驚異的な結果となりました。

 通常、完全視聴率ですと10~20%が一般的と言われますから驚異的な成果です。私たち運用側でも、配信を手がける前に一定の仮説のもと完全視聴率を予測しますが、予測を上回る結果でした」(高瀬氏)

 動画の配信にあたってはプラットフォームの特性や時間帯をふまえつつ、絶えず視聴傾向を分析しながらリアルタイムできめ細かく調整するのが運用コンサルティング会社の腕の見せどころだ。

 「視聴者数が伸びているバージョンの配信を強めたり、少ないものを止めてみたりときめ細かな調整を行います。当たり前のことを当たり前に、かつクリエイティブ側と運用側が密接にクロスオーバーしながらプロモーションが実行されていきました。クライアントであるHTB様のご理解もあり、非常に進めやすかったと感じています」(高瀬氏)

 今回の取り組みは「デジタルクリエイティブ」を提唱・実践する小霜氏にとっても手ごたえのある事例となったようだ。

 「マス広告がデジタルへとシフトしていくとよく言われますけど、マスとWebは対立する関係にはありません。マスならではの特性、Webならではの特性をふまえて、両者を一続きの存在として捉えていくのがデジタルクリエイティブの考え方です。

 いまクライアントは、Webでのブランディングに課題を感じているはずです。課題があるのであれば『最適解』を目指すのは私たちクリエイターの使命で、WebCMにおいて企画段階から運用コンサルをチームに組み込むことはその前提だと考えています」

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この記事の著者

浦野 孝嗣(ウラノ コウジ)

 2002年からフリーランス。得意分野は経済全般のほかIT、金融、企業の経営戦略、CSRなど。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2018/05/08 10:00 https://markezine.jp/article/detail/28145

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