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リゾームマーケティングの時代

メタップス、Preferredなどの気鋭の経営者たちが注目する「分散型思考」と信用構造の変化

信用構造の変化が各領域で起こる

 Satoshi Nakamoto氏は『貨幣論』を読んでいたのではないか? なぜなら、『貨幣論』を読むと、仕組みができれば、法定通貨以外に貨幣が流通し、一つの国の中に「複数の貨幣」「複数の経済圏」を作れる、と直感するからだ。そのため、私の場合は、「貨幣の複数性」という論文を書いたのだ。

 つまり、公権力とは無関係に、ブロックチェーンのような新技術によって、貨幣は新たに生まれてくる可能性があり、常に複数性を孕んでいるものだと思う。

 そして、ビットコインのような仮想通貨をSatoshi Nakamoto氏が構築できる背景には、やはり、社会のリゾーム化がある。

 「つながりがある(connected)」社会が実現すると、ブロックチェーンのような技術が生まれてくる。チェーンによって、どこが始まりで終わりなのかわからない(no-start/no-end)「無限の循環論法」が作動する。

 その結果、「中心がない(decentralized/distributed)」信用システムの基盤が完成し、日本円経済圏(clustered)から独立したビットコイン経済圏(clustered)のかたまりができる。

 このような現象は、「開放的で解放的(open/liberal)」だ。なぜなら、技術力さえあれば、国家でなくても誰でもオープンに貨幣経済圏を作ることができる。そして、複数の経済圏が存在すると、日本円という一つの経済圏に束縛されることなく、そこから解放される。

 「リゾーム化社会」は、貨幣の信用構造を変えた。メタップス佐藤氏のいうように「お金2.0」になった。

 ところで、同じような信用構造の変化がメディアの領域でも生まれている。そのことが、マーケティングにも影響を及ぼしている。次回以降の連載では、フェイクニュースやメディアの信頼性、そして、マーケティングの話に踏み込んでいきたい。

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この記事の著者

有園 雄一(アリゾノ ユウイチ)

Regional Vice President, Microsoft Advertising Japan

早稲田大学政治経済学部卒。1995年、学部生時代に執筆した「貨幣の複数性」(卒業論文)が「現代思想」(青土社 1995年9月 貨幣とナショナリズム<特集>)で出版される。2004年、日本初のマス連動施策を考案。オーバーチュア株式会...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2018/04/27 14:00 https://markezine.jp/article/detail/28279

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