ブランドセーフティに向き合うために必要なことを解説する本連載。第2回となる今回は、プログラマティック広告の運用時における対策方法を解説します。
対策を始める前に、重要な最初のステップ
今回は、プログラマティックバイイング時のブランドセーフティ対策について、どのような手法があるか、その特徴や運用時の留意点について書いていきたいと思います。
まずは……、と早速解説したいところですが、前提として押さえておくべき点をお話します。それは、「ブランドセーフティを行う目的をはっきりさせよう」ということです。
手段の目的化とはよく言ったもので、これからブランドセーフティ対策に有効な手法をいくつか紹介しますが、あくまで「手段」でしかありません。つまり、目的やゴールを考えずに手を出すと、運用負荷が増えたにも関わらず期待した成果が得られないという結果を生み出しかねないのです。
ブランドセーフティ対策を考える上で大事なことは、広告主のマーケターの皆さんがブランドセーフティ基準を明確に持つことです。基準を定義するには至っていない、社内のコンセンサスが不十分という場合もあるでしょう。そうした場合でも、ブランドセーフティ対策として、広告代理店やアドネットワークおよびDSP事業者に、どうしても避けたいサイトやコンテンツについて相談することをお勧めします。
相談することで、適切と思われる対応手段と、それらのメリット、デメリットを説明してくれるはずです。これらを理解し、残存するブランドセーフティリスクが受容可能なレベルかどうかを判断した上で、最も適切と思われるものを選択すると良いと思います。
また、第1回の寄稿でも述べましたが、ブランドセーフティ対策の出発点となるブランドセーフティの基準は、元々定量的に定義しにくいものです。そのため、これから紹介する各種対策についても、それぞれ強弱はあれど、あくまでリスクを「軽減」する手法であり、リスクがゼロになるわけではないため、常にPDCAのサイクルを回しながら精度を上げていくことが重要となります。

広告主からのブランドセーフティ対策
プログラマティック広告取引において、ブランドセーフティ対策として有効な手段はいくつか存在します。ブランドセーフティに特化したソリューションから、結果としてブランドセーフティ対策にもなり得るなど様々ですが、まずはブランドセーフティに特化したソリューションからご紹介します。
第三者配信(ポストビッド)を活用したブランドセーフティ対策
一つ目は、第三者配信を利用したソリューションです。アドテク業界には、広告主向けの第三者配信ソリューションの中に、ブランドセーフティに特化、またはそうした機能が組み込まれている場合があります。これまで広告主側で使われる第三者配信サーバーは、インプレッションやクリックなどを独自に分析し、プランニングの最適化や広告効果のより深い測定という目的で使われてきましたが、最近ではブランドセーフティ対策として活用されるケースが増えています。
具体的には、広告取引が成立し、実際の広告クリエイティブ配信のために第三者配信サーバーが呼び出された際、これから広告を掲載しようとしているWebサイトや配信面に対して、事前に広告主側で設定するしきい値に従い、ブランドにとって安全かどうかを判断。問題ないと判断されれば通常通り広告クリエイティブを送り出し、そうでないと判断された場合には広告を返さないもしくは代替クリエイティブを返却することで、自社商品やサービスの掲載を防ぐ、という仕組みです。
この仕組みは、技術的に見れば複雑なRTB取引仕様そのものに手を加えたり、介在したりといった必要がなく、従来の第三者配信による広告配信プロセスとまったく同じです。そのため、DSPなどの広告配信ベンダーがブランドセーフティ機能を持つ第三者配信を受け入れてさえいれば採用できます。
昨今、大抵のDSPベンダーは何らかのブランドセーフティに対応した第三者配信を受け入れており、もちろん私の所属するOath Japanでも対応しています。また、本ソリューションは次に説明するプレビッド方式(広告取引「前」にブランドセーフティ判定をする方式)に対して、ポストビッド方式と呼ばれます。

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高橋 俊仁(タカハシ トシヒト)
Oath Japan株式会社、プロダクトマネジメント&テクノロジー部 部長 2015年2月より現職。OathがGlobalで提供する広告配信プラットフォームテクノロジー全般を統括。また、オーディエンスデータ連携案件を中心に、ビジネスニーズ実現に対しテクノロジーの見地からサポートする、技術コンサル的な役割も担う。O...
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