『北欧、暮らしの道具店』の根本にあるもの
――『北欧、暮らしの道具店』を訪れると、WebメディアなのかECサイトなのか、はたまたECメディアなのか、どのような形を目指されているのだろうと考えます。まずは、『北欧、暮らしの道具店』をどのようなスタンスで運営されているのか、教えていただけますか?
青木:『北欧、暮らしの道具店』は、「お店」です。我々は「お店」からスタートし、これまでもお店という体で展開してきましたので、自分たちがやっていることは、メディアとしても使ってもらえる「お店」をつくることだと考えています。
また、人は多様な価値観や美意識をもっていますが、我々は、そういった価値観や美意識において共感できる部分が多い人をお客様であると考えています。
我々のお客様は、「より快適に暮らしたい、自分らしく暮らしたい、ちょっとした非日常を感じたい」「でも、自分が所属するリアルなコミュニティの中に、同じ感覚やセンスを共有できる人が少ない」といった共通のユーザーペインのようなものをもっています。『北欧、暮らしの道具店』の根本にあるのは、そのユーザーペインに色々な方法でお応えしたい、という想いだけですね。
――なるほど。ベースにあるのは「お店」としてのミッションなんですね。
青木:ええ。我々は、お客様のユーザーペインに対して、最も多様で最もミートした形でお応えできる事業者でありたいと思っています。それにデジタルコンテンツだったり、物販でモノを通してお応えするときもあります。他にも、リアルイベントやドラマなど色々やっていますが、その目的はいつも一つだけです。外から見ると、「メディアなの?お店なの?何がしたいの?」と思われるかもしれませんが(笑)。
――『北欧、暮らしの道具店』のユーザーについても、お聞かせください。ユーザーには、年齢の偏りがありますか?
青木:年齢はまちまちですね。結果論的に今は30~40代が多くなっていますが、彼女たちが60代になったら『北欧、暮らしの道具店』を卒業するのかというと、そうではないと思います。20代のお客様も一定数いらっしゃいますしね。
また、我々のお客様は、リアルのコミュニティで決してマジョリティではないことが特徴的です。極端なマイノリティではないのですが、自分と好みの合う人やコンテンツに出会える頻度は少ない。ですので、我々は色々な方法でお客様を楽しませたい、励ましたいと考えています。