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2ndパーティデータを活用したDMとは?日本郵便×トップマーケターが語るデータドリブンなアナログ施策

2ndパーティデータ活用で広がるDMの可能性

 では、デジタルとアナログは、どのように組み合わせていけば良いのだろうか。日本郵便は様々な企業と手を組み、「デジタル×DM施策」についての実験を行っている。本セッションでは、BtoB代表としてリクルートジョブズ、BtoC代表としてIDOMが登壇。鈴木氏とパネルディスカッションを行い、実験から得た学びを共有した。

(左から)翔泳社MarkeZine編集長 押久保剛/イーリスコミュニケーションズ 鈴木睦夫氏/リクルートジョブズ 宮尾昇氏/IDOM 目黒友氏
(左から)翔泳社MarkeZine編集長 押久保剛
イーリスコミュニケーションズ 鈴木睦夫氏
リクルートジョブズ 宮尾昇氏
IDOM 目黒友氏

リクルートジョブズが実施した「メルマガ×DM」実証実験

 リクルートジョブズの宮尾氏は、スタッフを求人募集したい「お店」に対し、マーケティング施策を実施しているが、その手法の一つであるメルマガ施策の効果に疑問を抱き、メルマガ会員のcookie紐付け率を調べてみたという。 すると同社のメルマガは、半分のユーザーしかcookieが取得できていない(=半分のユーザーにしか読まれていない)ことがわかった。残り半分のユーザーにリーチ拡大するため、同社は「メルマガ×DM」の実証実験を実施した。

 まず、オンラインを好まないと思われるユーザーを抽出し、メルマガだけを送った場合と、メルマガとDMを組み合わせた場合の比較調査を実施。その結果、後者のサイト訪問数が3.6倍増加した。

 次に、メルマガに対して寛容である「メルマガアクティブ層」と無関心であると思われる「Notアクティブ層」のユーザーに対し、メルマガとDMを送付するという実験を実施。その結果、なんとNotアクティブ層のユーザーにおいて、アクティブ顧客以上のCVRを獲得できたという。

 この結果について宮尾氏は「オンラインだけではなく、オフラインを織り交ぜることで、新たな顧客リーチ手法を実現できた」と語り、デジタルとアナログを融合させる重要性を説いた。

 リクルートジョブズの実証実験に対し、鈴木氏は「要素を分解してテストを行った点」を評価した。分解することで他の条件が固定され、一つの要素がきちんとABテストできるという。また、デジタル施策だけでは何も起こらなかった可能性のあるところから、案件が生まれたことも注目すべき点だと述べた。

 「マーケティングオートメーション(以下、MA)は、よくコールドリードが入ったボックスと表現されている。放っておいたら何も起きないし、何も起こさない。今回アナログ施策を組み合わせたことで、新たなビジネスが生まれた。これはすごく大きな成果です」

2ndパーティデータ活用でDMはどう変わるのか?

 中古車買取販売のガリバーを運営するIDOMは、DMを用いてリテンションを行っているという。同社は、自社が保有するファーストパーティデータ(査定額)と、提携するクレジットカード会社から得たセカンドパーティデータ(ローンの残高)を用いて、ユーザー個別の情報を載せたDMを送付した。その結果、反応率は通常よりも4.85倍となり、ROIも通常時の約1.8倍となった。

ユーザー個別の情報を載せたDM
ユーザー個別の情報を載せたDM

 目黒氏はDMの強みは「訴求力」にあるという。デジタルとアナログ施策について、「重要なのは特性を正しく理解した上で目的毎に使い分けること」だと述べた。

 この実験に対し、鈴木氏は「セカンドパーティデータ」と掛け合わせた点を評価した。

 「普通のユーザーは、ローンがなくなるタイミングで買い替えを検討しますよね。今回の施策は、リアルな額面を載せることで『残債があっても、新しい車に乗り換えてもいいんだ』と思わせたことが素晴らしい」

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この記事の著者

福島 芽生(編集部)(フクシマ メイ)

1993年生まれ。早稲田大学文学部を卒業後、書籍編集を経て翔泳社・MarkeZine編集部へ。Web記事に加え、定期購読誌『MarkeZine』の企画・制作、イベント『MarkeZine Day』の企画も担当。最近はSDGsに関する取り組みに注目しています。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2019/10/18 16:26 https://markezine.jp/article/detail/29032

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