対面でのコミュニケーションをシナリオに落とし込む
Marketing Cloud導入前後にダイレクトチャネル事業部が取り組んだのが、元々あったシナリオの見直しだ。顧客視点で最適なカスタマージャーニーを描き直し、現状のシナリオ総数は40に及ぶ。
そして、この新しいシナリオ設計にも、同社の「対面営業」の経験が活かされている。
「ダイレクトチャネル事業部には、営業店から来たスタッフもいます。今、対面営業で実現できている『きめ細やかなOne to Oneマーケティング』を非対面でも実現すべく、彼らが営業時代にお客様に対してしていたこと・経験してきたことを、シナリオに落とし込みました」(天宮氏)
こうして生まれたシナリオには、“投資信託の取引ページを閲覧した際”や“投資信託を購入した後”にメールを送るといった「取引促進」や「カスタマーサポートの向上」などの施策が取り入れられた。
「新規口座開設直後」の施策を改善
また、シナリオ設計において同社が特に重視したのは、「新規口座開設直後」の対応だ。ダイレクトチャネル事業部でEマーケティングセンター長を務める天宮 徹也氏は、「新規口座開設後のお客様に対して何も働きかけを行わなければ、入金も取り引きもない休眠顧客と化してしまうことが過去のデータからわかっています」と、口座開設直後のフォロー体制の重要性を説く。
そこで、開設直後で「取り引きしてみよう」という気持ちが高まっている顧客に向けて、シナリオを描き直したという。具体的には、開設直後のタイミングで、「株主優待の調べ方とは?」「IPO投資の魅力は?」など、初めて取り引きをする顧客にとって気になる情報・次のアクションを起こしやすいメールを重点的に配信した。