拡大するマーケターの役割 営業や経営視点も必須
自社のマーケティング部門の業務範囲について尋ねたところ、「プロモーション施策の企画・実施(70.5%)」「商品・サービスのマーケティング戦略の策定(67.6%)」「宣伝広告(デジタル広告)(63.6%)」「広告効果測定(59.0%)」「見込み顧客の発掘(58.4%)」が上位5つとなった(図表2)。

全体の傾向として、プロモーション戦略の立案に携わる一方で、データによる裏付けや効果測定が必須の任務ということがわかる。
さらに、マーケティング部に求められる役割は拡大しているかという質問には、64.2%が「はい」と回答(図表3)。

具体的には、「集客だけではない、ブランドとしての価値創出」「手法や媒体増加にともない業務内容は拡大している」「売上貢献への向上、広報機能」「マーケティングの多様化に基づく、データ収集〜分析〜施策実行までの対応領域の拡張」といった声があった。また、「BtoB領域における効率的な営業をマーケティング起点で行う」「営業やインサイドセールスとのつながり方を検討する必要がでてきている」といった声が多数上がっており、ここから営業とマーケティングの連携の重要性が増していることが読み取れる。
そして拡大する業務にともない、他部署との連携の重要性も増している。「営業企画部門(61.3%)」「経営企画部門(56.1%)」「事業開発部門(42.8%)」「顧客サポート部門(42.8%)」「広告・宣伝部門(39.9%)」との連携強化が上位にきている一方で、その他では「システム部門」「エンジニア部門」「R&D部門」といった回答が挙がっていた(図表4)。

キャリア構築の道筋 必須のスキルは?
将来、どのような道を目指しているかを尋ねたところ、「専門領域のスペシャリスト(35.8%)」が最多で、「CMO(26.0%)」「経営者(15.6%)」となった。データやテクノロジーを使いこなすマーケターの仕事は専門性が高いこと、また経営的な視点をもって職務に挑む姿勢がうかがえる。加えて、次にどのようなステップを踏みたいかという質問に対し、「事業会社(46.8%)」での経験を積みたいとの回答が最多であった。
また、マーケティング業務に携わる上で必要だと思う知識・スキルについては、「デジタルマーケティングの知識(80.9%)」「統計分析のスキル(71.7%)」「テクノロジーの知識(67.6%)」が上位3つとなった(図表5)。

また、業務を推進する上で向き合っている課題では、「売上への貢献(60.1%)」が最多だった(図表6)。

データで可視化される世界のおもしろさ
2018年に注力したことを尋ねたところ、「GAやMA、チャットボットなどツールの導入・活用」「FacebookやInstagram、Twitterなどメディアの最適化」「マスとデジタルの連動」「オウンドメディアの運営」「データ収集と活用」「マーケティングの重要性の社内浸透」といった声が多く上がった。
そして2019年に新たに挑戦したいこととしては、「ブランド開発」「ブランディングの強化」「インナーマーケティング」といった、デジタルの枠を超えた領域への取り組みに関する声が多数見受けられた。
マーケティングの仕事の醍醐味については、データで結果が可視化されることにおもしろさを感じている読者が多かった。また「アートとサイエンスが交差するところ」という声もあり、これらの視点をブランディングをはじめ、拡大する業務領域に持ち込むことで、新たな世界が広がっていくのではないだろうか。
■調査概要
調査主体:翔泳社 MarkeZine編集部
調査方法:インターネットリサーチ
調査期間:2018年11月12日~2018年11月25日
調査対象:MarkeZine読者
回答数:173件
