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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2025 Retail

定期誌『MarkeZine』特集

「モンスト」に学ぶ、アプリのブランディングを成功させる秘訣

大切なのは価値の体現

――ゲーム、非ゲーム問わず、アプリマーケティングを進める際に意識したほうがいいことはありますか。

 リワード広告は規制されましたが、そのようなダウンロード数などの数字を稼ぐためだけの施策は、穴の空いたバケツに水を入れているのと変わりません。重要なのは、プロダクトの価値を伝え、それにフィットする初期ユーザーをきちんと獲得することです。

 ダウンロードする人の全てが、ゲーム性に共感しているわけではありません。むしろランキングや広告、友人の口コミなどが多い。だからこそダウンロード前の期待値と、プロダクトのギャップをなるべく縮めることも大事だと思います。そうでなければ、ギャップを感じてすぐ起動してくれなくなるかもしれません。

 アプリは映画などの娯楽に比べれば、インストールするだけで行えるので最初のハードルは低いです。しかし、数を上積みすることに意識がいくと、後で潜在ユーザーになるはずだった人まで無駄にインストールを促進してしまうことになります。その結果、本当のプロダクトの価値は理解されない上にマイナスイメージを持たれ、離脱されてしまう可能性もあります。それでは、いずれ成長も止まってしまいます。

 そのため、やはり肝となるのは本質的な価値を理解した初期のファンの人たちに触れてもらうこと、そしてサービスについて語ってもらうことです。

――サービスについて語ってもらうには、どのようなことが必要でしょうか。

 やはり身近な人に話したくなるしくみが必要だと思います。私たちが身近な人たちでモンストを楽しんでもらうことを狙ったのも、身近な人からのレコメンドは信頼性が高いからという理由があります。広告のクリエイティブやメッセージの最適化でユーザーを増やすことはできますが、それだけだと自転車操業のような形になってしまいます。

 一方、招待などオーガニックなバイラルの広がりというのは、最初はゆっくりですが、正しいプロダクト設計ができていればどこかのタイミングで跳ねると思っています。そのために、誰に遊んでもらうか、どのようにバイラルさせるかをイメージしてストーリーを作ること。そして、最初からそうしたイメージがプロジェクト全体に浸透していることが大事だと考えています。

目指すは国民的IPへの成長

――最後に、今後の展望を教えてください。

 ゲームというよりはモンストというIPが長く愛されるものになるよう、丁寧に育てていきたいです。売上はアプリが大きいとは言え、それはIPの中のひとつのアセットです。

 IPの育て方もこれと決まったものがあるわけではありません。他社を見るとゲームのキャラクターが日本のカルチャーの象徴となるくらい、IPの成長が上手くいっている事例はあります。ただ、それを弊社にそのまま当てはめて成長させることが正しいとは限りません。もちろん、他社から良いところは学びつつも、今の時代に即した私たちなりのやり方を考えていきたいです。

 そうして最終的にモンストというIPを、国民的、世界的IPにしていく野望をクリアするためにどういったマーケティング戦略を取るか考えます。その上で、携わっているメンバーとともに、常にアップデートした施策に取り組んでいきます。

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この記事の著者

畑中 杏樹(ハタナカ アズキ)

フリーランスライター。広告・マーケティング系出版社の雑誌編集を経てフリーランスに。デジタルマーケティング、広告宣伝、SP分野を中心にWebや雑誌で執筆中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2019/02/25 13:45 https://markezine.jp/article/detail/30382

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