既存コンテンツを集約・活用
ブログやSNS、オウンドメディアなど、さまざまなコンテンツを運用し、タッチポイントの拡大を図る企業も増えてきた。一方で、顧客にとっては「必要な情報を得るためにどこを見ればよいかわからない」といった状況も生まれている。ランチェスターが提供するモバイルアプリプラットフォーム「EAP」には、さまざま既存コンテンツを自動で取り込み、アプリ内に配信する機能があり、こうした課題に対しても有効だという。
「散在していたコンテンツが集約され、コンテンツに応じて表現方法も柔軟に設定できるので、ユーザーはアプリを利用することで必要な情報を探しやすくなります。企業側にとっても、アプリ用に新しいコンテンツを追加する必要がなく、運用負荷を抑えられるというメリットがあります」
One to Oneコミュニケーションを支援
「ダウンロードの壁」を越えてアプリを利用しているロイヤリティの高いユーザーに対しては、きめ細かいパーソナライズされたコミュニケーションが求められる。それを実現するカギとなるのが、顧客を「個客」として一意に識別することだ。
EAPを利用してアプリを設計することで、店舗やECなど複数のチャネルから個客を識別して行動履歴などのデータを取得することが可能となる。あとはこのデータに基づき、MAツールなどでシナリオに沿ったコミュニケーションを実践していくことになる。
あるサロンの事例では、カスタマージャーニーに沿ってアプリでタッチポイントを設定しており、予約やリマインドの連絡もアプリ経由で行っている。来店翌日にアプリのプッシュ通知でお礼のメッセージとともにアンケート依頼を配信するようにしたところ、メールでの依頼に比べて回答率が約10倍に伸びたという。個客の行動に沿ったコミュニケーションを設計し、最適な手段を選ぶことが重要だ。
チャネルを横断した分析で個客理解を深める
One to Oneコミュニケーションが実現できる環境が整えば、チャネルを横断した個客動向の把握も実現できるようになる。要となるのはOne to Oneコミュニケーションと同様に、あらゆるチャネルから個客を識別して、行動ログや購買履歴などのデータを蓄積することだ。そこさえできていれば、あとはデータを抽出して分析すればよい。
「個客理解を深めるためにも、チャネルを問わずに最初の段階でしっかりと個客を識別していくことがもっとも重要なポイントとなります」
自社に最適なアプリ開発手法とは
アプリの開発にあたっては、いくつか選択肢がある。田代氏は、代表例として「スクラッチ開発」と「パッケージ開発」のふたつを挙げ、それぞれのメリットとデメリットを説明した。
ゼロベースで作っていくスクラッチ開発は、自社の好きなように仕様を決められるし、デザインの自由度も高い。しかし、導入費用が非常に高額になり、完成までに長い期間を要してしまう。
一方、パッケージを利用した開発は、標準的な機能は最初から用意されており、低コストで素早く導入できるのがメリットだ。ただし、カスタマイズが難しく、どうしても自社の希望どおりの施策ができない場合もある。
これらスクラッチ開発とパッケージ開発のメリットを両立できるのが、ランチェスターのモバイルアプリプラットフォーム「EAP(Engagement Application Platform)」だという。