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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2025 Retail

定期誌『MarkeZine』特集

ポップアップストアで重要なのは世界観と体験の提供

ポップアップストアだけの特別な体験を

――先日開催された「BALMUDA Weekend」では、常設展示の他に様々なイベントも行っていました。

 キッチンチームによるトースター活用のワークショップと、カリグラフィー(英字を美しく書く手法)のワークショップですね。カリグラフィーは、BALMUDA The Lightの下で行いました。この製品は、子供のためのデスクライトで、前屈みになっても影ができない特長があります。これを、大人の方にも体験いただきたいと設計したイベントです。

 また「週末に聞きたい音楽」をテーマに、70名をご招待したライブも行っています。バルミューダは、カルチャーとの相性が良いんです。音楽イベントを通して、音楽ファンにバルミューダを知っていただきたいと考えました。さらに、ニュースメール会員を対象としたイベント「TOAST NIGHT」も開いています。一般公開の前日に行いましたが、いつも応援してくださる皆さまに、特別な体験がお届けできたのではないかと思います。常設とイベントの両方を行うことが、お客様とのつながり作りのポイントです。

――イベントにも、世界観を理解できる体験を盛り込んでいるのですね。製品ごとに様々な体験を提供していると思いますが、その根底で共通している点はありますか。

 驚きと喜びです。これは製品とコミュニケーションがしっかりと組み合わさった時に生み出せると考えています。毎週行うコミュニケーション会議では、必ず寺尾が出席し、マーケティングやセールス、クリエイティブも参加します。コミュニケーション設計にかける時間が、一番長いといっても過言ではありません。

 いつものパンが劇的に変わるトースターに、注ぎ心地の良いケトル。保温機能をなくし、おいしいご飯を炊くことに特化した炊飯器。温めとオーブン機能のみとシンプルですが、ギター音が鳴って音楽が流れるレンジ……。バルミューダの製品は、あったら消費者の生活が豊かになる機能を持っています。それをどのように伝えていくか、コミュニケーションを突き詰めて考えています。バルミューダが提供するのは、日常の延長線上にあるより良い時間です。特別な時間ではありませんから、コト消費とも異なります。

――どんな人にも便利ですと寄り添うのではなく、たとえるなら硬派な性格の製品だと感じます。具体的には、どのようなコミュニケーションを行ってきたのでしょうか。

 BALMUDA The Lightでは、光源の部分だけを写したティザーを発信しました。「次はロボット掃除機か?」などの予想や期待がある中、「実は子供向けのデスクライトです」と製品を発表し、ギャップを作りました。するとお客様は「なぜ、この時代にデスクライト?」と驚かれます。その問いには、「目を守り、学習環境を整えることで、集中できる時間を作りたい。そして、子供たちにはクリエイティブであってほしい」の開発ストーリーで答えました。

 光のデザインが特徴のBALMUDA The Pureも、デザインコンセプトはシンプルです。家の中の主役は人であるべきで、道具が生活空間を邪魔してはいけないと考えています。一見些細なことですが、お客様には「そうそう、こんなのが欲しかったんだよね」と思っていただけるコミュニケーションを設計しています。

これまでを上回る体験を届けたい

――最後に、これからの展望を教えてください。

 ポップアップストアは地方展開を進めておりまして、まだ出店したことのないエリアにも挑戦したいと思っています。まだまだバルミューダを知らない人が多いエリアでも体験をしていただきたいですね。また、ポップアップストアで得た接客の知見は、什器などの改善に反映するなど、横展開していっています。

 しかし、「BALMUDA Weekend」のように都心でのポップアップストアの開催は、現在未定です。実施回数を増やすことよりも、これまでを上回る体験が提供できるタイミングに行いたいと考えているからです。バルミューダと過ごす体験を伝える手法には、Webとカタログ、ブランドストア、ポップアップストアがあります。その中でもポップアップストアは開催するタイミングが非常に重要なので、様子をうかがいながら開催したいと思っています。バルミューダの現在のフェーズは、引き続き新たな製品を開発して世の中へ出していくこと。お客様に期待いただけるようなブランドになるべく、今後も認知と好感度が高まるコミュニケーションに取り組みます。

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この記事の著者

マチコマキ(マチコマキ)

広告営業&WEBディレクター出身のビジネスライター。専門は、BtoBプロダクトの導入事例や、広告、デジタルマーケティング。オウンドメディア編集長業務、コンテンツマーケティング支援やUXライティングなど、文章にまつわる仕事に幅広く関わる。ポートフォリオはこちらをご参考ください。

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道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2021/02/26 17:37 https://markezine.jp/article/detail/30883

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