マーケターの右腕として、運用から体制構築まで支援
MZ:では具体的にはどのような体制で、インハウス運用を支援しているのでしょうか?
高瀬:当社のメンバーを小椋さんのチームの一員として常駐させています。社外向けでは、チームの一員として代理店とのやり取りをサポートしたり、施策結果を元にネクストアクションの設計を行っています。社内向けでは、責任者である小椋さんへのレポートラインの整備からタグ整理に加えて、他部門との連携を推進する役割を担っています。
広告運用のオペレーションに従事する、という狭い範囲のみ関わるのではなく、マーケターの右腕として、テクノロジ―回りから体制構築まで支援するイメージです。
MZ:ハートラスさんのインハウス運用支援を受け入れてから、どんな変化がありましたか?
小椋:ハートラスさんから来てくれたメンバーの方は、良き相談相手として悩みを聞いていただき、またそれを整理して都度適切な提案をしてくれるので、とても心強いですね。
たとえば、ハートラスさんに入っていただく前はメンバーそれぞれが協力他社とやり取りをしていたので、コミュニケーションが属人化していました。そのような課題を相談したところ、コミュニケーションルートの仕組みを整える提案と実装をしていただきました。その結果、今は誰とどのような話が進んでいるのか、コミュニケーションの進捗状況が可視化され、引き継ぎもスムースになりました。
これはほんの一例ですが、体制やデータを整備するための仕組みを一つひとつ構築していきましたね。その結果、コミュニケーションの全体設計をはじめマーケター本来の仕事に使える時間が増えたのが1番の収穫でした。
高瀬:資生堂ジャパンさんはリアルからデジタル上まで、膨大なデータを有していらっしゃるので、正直なところ、整備はとても大変でした。状況を見て、どの程度常駐するかを判断しようと考えていたのですが、内情を理解したうえで、フル常駐での対応を判断しました。
最初から常駐するという契約にしてしまうと、作業が発生しない場合もクライアント側に無駄な費用が発生してしまいます。短期的には私たちは利益を得られますが、それは本質的ではありません。信頼に足るパートナーとして、費用の面でも納得いただけるように常に配慮しています。
伴走の先にある、自走までの道のり
MZ:事業主企業としては、自走できる状態が理想だと思いますが、ハートラスさんにはパートナーとして、どのくらいの期間、伴走してもらいたいと考えていますか。
小椋:実は、2018年末で運用の型は完成し、自走できる体制は整ったこともあり、伴走は終わる予定でした。しかし今年に入って、タグの整理やホワイトリスト作成のための各ベンダーとの調整など、新たな課題が発生したので、改めて契約をさせていただきました。
自走できる体制が整った後も、進化の激しい業界なので、新たな課題が出てくることは珍しくありません。そんな時は、また一時的に伴走してもらいながら、最終的には当社のメンバーだけで運用できる体制を目指しています。
MZ:最後に、両社が考える今後の展望を教えてください。
小椋:これからも引き続き、お客様により良いブランド体験を提供するための取り組みを続けていきます。鍵となるのはやはりパーソナライズでしょう。
パーソナライズを実現するためのテクノロジーは日々進化しているので、私たちも追いかけ、理解しなければなりません。でも、自分たちだけでは解決できない課題にぶつかった時は、ハートラスさんに相談させていただきたいですね。
高瀬:当社の展望は2つあります。1つは、資生堂ジャパンさんのチームの一員として、今追っているゴールを達成すること。2つ目は、会社として掲げているミッションですが、広告主の皆さんに本質的な価値を提供していきたいですね。適切なデジタルシフトを推進すべく、従来の広告代理店とは異なる、中立的な立場からの支援企業として、マーケターの皆さんの悩みに寄り添い、一緒に伴走し、さらなる価値提供に邁進していきます。