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創業69年のイノベーション創発企業へ 寺田倉庫の変貌

 1950年創業でありながらここ数年でイノベーション創出企業へと変化した寺田倉庫。BtoB向けの倉庫業の枠を超え、現在では個人向けにワインやアートの保管も手掛けるようになっている。中でも2012年に開始したクラウド収納サービス「minikura」は、APIを公開することで、スタートアップや既存企業内での新たなビジネス創出を支える存在にもなっている。同サービスを手掛ける専務執行役員の月森正憲氏に、イノベーションの種を事業化する手立てやそのビジョンを聞いた。

※本記事は、2019年5月25日刊行の定期誌『MarkeZine』41号に掲載したものです。

個人向け新規事業として生まれた「minikura」

寺田倉庫 専務執行役員 MINIKURA担当 月森正憲(つきもり・まさのり)氏
1998年寺田倉庫に入社後約7年間、倉庫現場にて庫内オペレーションに従事する。その後、営業を経て企画担当へ。2012年に、ユーザーが預けた荷物をWeb上で管理できるクラウド収納サービス「minikura」をリリース。2013年に、倉庫システムをAPI化し様々な企業と新規事業を共同で創出。また、倉庫、物流に悩むスタートアップ6社をこれまでに支援し、うち3社では社外取締役を務める。

――今回は、寺田倉庫さんが本社を置く天王洲アイルに来ています。ビルの大きな壁を使ったアーティストのペイント作品があったり、撮影させていただいた運河沿いも素敵で、こんな街とは思いませんでした。御社はイベントスペースやミュージアム運営、アートイベント等の開催でも街の活性化に関与されていると聞きました。

 そうですね、以前は本当に普通のオフィス街というか、おもしろみのある場所ではなかったかもしれません。変わったのはこの5年ほどですね。現CEOの中野善壽の意向で、不動産事業の一環として街づくりや文化発信に注力してきた結果だと思います。

天王洲アイルは、今やアートの街としても有名に
天王洲アイルは、今やアートの街としても有名に
天王洲運河沿いの水辺を歩けるボードウォーク
天王洲運河沿いの水辺を歩けるボードウォーク

――2011年に中野CEOが経営を引き継ぎ、事業も社内も大きく変わったと複数の記事で目にしました。人材の流動を重視して「5年で辞めろ」と言われているそうですが、その中で月森さんは長くいらっしゃる貴重な方だそうですね。

 実際に「5年で辞めろ」ということではなく、それ位のスピード感でチャレンジすることで、自身の市場価値を高めて欲しいという思いが込められています。私は1998年入社で今年21年目です。当時は不動産、物流、トランクルーム事業の3つの柱があり、物流事業部でフォークリフトを動かしていました。

 BtoBのダイナミックな物流を支える一方、取引先に代わってかゆいところに手が届くような繊細な管理作業もあって、管理のプロとして取引先にも頼りにされ、仕事はとても楽しかったですね。一方で、トランクルーム事業はスペース貸しだったので、端から見ながらもっとおもしろくしたいな……と、経験が浅いくせに思っていました(笑)。

 その後、物流の現場から営業、企画を経て、中野が代表就任する頃に設けられた新規事業開発チームに所属しました。チームといっても一人部署でしたが、そこで与えられた「個人向けの次世代トランクルーム」というテーマが、クラウド収納サービス「minikura」の発端になっています。元々中野は長らく顧問として当社との関わりがありました。経営者として本格的に参画して以降、その新規事業や個人向けのワインやアート保管事業など、BtoC事業へ進出することになりました。

だれもが箱単位で倉庫を持てるクラウド収納サービス「minikura」
だれもが箱単位で倉庫を持てるクラウド収納サービス「minikura」
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この記事の著者

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

安成 蓉子(編集部)(ヤスナリ ヨウコ)

MarkeZine編集部 編集長
1985年山口県生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。専門商社で営業を経験し、2012年株式会社翔泳社に入社。マーケティング専門メディア『MarkeZine』の編集・企画・運営に携わる。2016年、雑誌『MarkeZine』を創刊し、サブスクリプション事業を開始。編集業務と並行して、デジタル時代に適した出版社・ウェブメディアの新ビジネスモデル構築に取り組んでいる。2019年4月、編集長就任。プライベートでは2児の母。

★編集...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2019/05/24 13:00 https://markezine.jp/article/detail/31035

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