※本記事は、2019年5月25日刊行の定期誌『MarkeZine』41号に掲載したものです。
プレゼン資料作成における3原則
- プレゼンテーションは“プレゼント”である。
- プレゼン資料は見栄えが55%。
- 脳内で情報を再構築するプロセスこそが、資料作成の目的である。
増えるプレゼン機会 求められるプレゼン力
あなたは、一日の何%をPCとともに過ごしていますか。そして生涯の何%をプレゼン資料作成の時間に捧げているでしょうか。
クラウドの活用やAIによるオートメーション化により、働き方の構造改革が進む一方で、なかなか改善されないプレゼン資料の作成プロセス。「決算説明会」「資金調達資料」「顧客向け提案資料」など、経営者から一般社員まで、役職問わずプレゼンを行わなければならない機会の増加にともない、プレゼン資料作成に費やす時間も増えています。
日本人はなぜ、プレゼン下手なのか?
一般に日本人のビジネスパーソンは、資料作成力やオーディエンス向けのプレゼンテーション力が弱いと言われています。日本人がプレゼン慣れしていない背景には、いくつかの理由がありますが、一番は教育機会の欠如です。
欧米では、幼少期からプレゼンテーションの授業があるのは当たり前で、大学の授業にもプレゼンを専門に学べる講座があります。一方で日本の大学のシラバスでは、そのような科目はほとんど存在しません。加えて、本来お手本となるべき、先生や教授たちが魅力的なプレゼンターかというと、みなさん疑問符がつくのではないでしょうか。
この課題は、教育の場のみならず、経営層の領域においても同じことが言えます。スティーブ・ジョブズのカリスマプレゼン術が、大きな商業的価値を生み出したことは広く認識されているにもかかわらず、一部の方を除き日本の経営者の大部分は、新製品発表会や決算説明資料のプレゼンでパフォーマンスを出せていないのではないでしょうか。
また、資料作りに多くの時間を割いているホワイトカラー人材も、同じ課題を抱えています。企業研修の一環で社員向けのプレゼン研修を受けているケースも一部ありますが、1日足らずの付け焼刃な表層的な研修では身に付きません。会社の先輩にOJTで教わりながらプレゼン資料の作成に挑む社員が大半でしょう。