リタゲ広告+50%のCVを獲得
MZ:今回の施策の成果について教えてください。
利光:施策は、2回のフェーズに分けて行いました。まずフェーズ1は、サイトの離脱時にLINEに遷移するポップアップを表示させ、友だち追加をした後、コミュニケーションを開始する設計です。リターゲティング広告で追い切れない層を、ターゲティングしました。結果として、リターゲティング広告のみだった前年度と比べ、CVが50%増えています。LINEの友だち追加ユーザーのうち15%が、後に資料請求の申し込みをしている状況です。
続いてのフェーズ2は、LINE Ads Platformで友だち獲得を促進できる「LINE Ads Platform CPF」の配信です。フェーズ1は、ターゲットのサイトへ来訪した関心層に向けた施策でしたが、反応の高さから通常のオーディエンス配信でも成果が出るのではないかと仮説を立て、実施しました。
MZ:そちらの結果はいかがでしたか?
利光:ユーザーはスタンダード非認知層が多かったものの、大きな成果がありました。獲得したオーディエンスユーザーによるチャットボット経由のCVRが3%と、検索連動型広告に匹敵するかなり高い結果が出ています。
学習塾は検討期間が長いサービスですから、CVまで通常1、2週間かかります。プッシュ配信からのチャットコミュニケーションでナーチャリングすることで、LPに代替される、新しい受け皿になったと考えています。
吉田:想定以上の成果という嬉しい誤算により、結果的に追加予算を確保することにもなりましたが(笑)。代表からも「そこまでCV取れるんだったらいいぞ」といわれましたね。
河野矢:他にも、ジールス経由の方は本契約につながる率が高まるという特色があります。チャットコミュニケーションを通して塾への理解が深まるため、リターゲティング広告経由のユーザーよりも本契約に至る率が高くなるんですね。
遠藤:それについては他のお客様事例でも確認できています。たとえばオイシックス・ラ・大地様では、本契約転換率が130%改善したという結果も出ています。

各種データ・メディア連携を通じて広告にとどまらないチャットコマース活用
MZ:ジールスの活用で、今後の展望として考えていることは?
遠藤:DMPなどと連携し、よりリッチなユーザー情報を用いることでプッシュ配信の精度をよりあげていきたいですね。ジールスでは、AIにWebやLINEで取得したデータを食わせることで最適な配信アルゴリズムを組んでいます。AIが学習できるデータ量を増やすことで、これまで以上にユーザーに寄り添うコミュニケーションを実現し、まるで人が接客しているかのような体験をテクノロジーの力で作っていきたいです。
利光:ZEALSさんは1億5,000万以上の会話データを分析されているそうですが、今回の施策におけるデータは我々のほうにも蓄積されていっています。チャットボットによる「チャットコマース」は今後より普及していくでしょうが、早期に導入できた強みを生かし、さらなるCVと収益の獲得に貢献していければと思っています。
河野矢:スタンダードさんでは、MAやDMPといったツールも導入されていますし、コミュニケーションサイトの他に保護者向けのアプリもあります。今は点となっているチャネルを面にしていくということを考えています。
広告戦略というより情報戦略として、その役割を再定義するということですね。塾選びは口コミの影響力が強いですから、日常生活に寄り添ったコミュニケーションにより、「塾のことはスタンダードのチャットに聞いてみよう」というような存在にできるとよいなと考えています。
吉田:お客様がデジタルに触れる機会、時間もますます増えていくでしょう。その中で、適切なメッセージを最適な時間と場所で発信していくことが必要です。マーケティング戦略的には獲得型だけではなく、態度変容型の施策も大事にしていきたいと考えています。
保護者にとって、塾選びとはお子さんの人生に関わる一世一代のことです。結果としてスタンダードを選択されなかったとしても、チャットコミュニケーションを通して価値ある教育の情報をお届けしたいと考えています。それが優れた顧客体験の提供であり、中長期的には大きな意味をもってくるでしょう。
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