全社的なデジタルトランスフォーメーションを実現
【すかいらーくホールディングス】
現在のマーケティング部門の組織体制
当社のマーケティング本部は、大きく戦略インサイトグループ、メニュー開発グループ、プロモーショングループの3つに分かれており、約90名のスタッフで構成されています。約10名のデータサイエンティストがPOSデータやアプリ利用履歴、その他あらゆる顧客の行動データや推定属性データを分析し、それをもとにメニュー戦略やプロモーション戦略の策定・実行を行っています。2018月12月からはIT本部を新設し、その本部長を私が兼務することで、全社的なデジタルトランスフォーメーションと連動させたマーケティング施策展開をスピード感を持って行うことが可能になりました。
他部門やパートナーとの関係構築のコツ
当社を利用されるお客様は幅広く、求められるものは年々多様化し、高いサービス品質を求められています。常に意識しているのは、お客様が何を求められているかということを徹底的に分析し、あらゆる視点から議論し、アクションにつなげていくことです。他部門やパートナー企業様との連携は、新たな発見を生み出し、実現可能領域を広げてくれます。パートナー企業様を選ぶ際は、そうした顧客視点でのリサーチや議論をともに追求できるパートナーであること、そしてお客様に新たなブランド価値をお届けできる発想の拡がりを持っていることなどを重要視しています。

取締役常務執行役員 CMO 兼 CTO 和田 千弘氏
マッキンゼー・アンド・カンパニーを経て、アルペン取締役企画本部長、アドバンテッジパートナーズのディレクター、インターブランドジャパン代表取締役社長CEO、グーグル日本法人事業戦略部門長兼分析統括責任者、などを務める。2016年にすかいらーく社外取締役に就任後、2018年7月よりすかいらーくホールディングス取締役常務執行役員CMOに就任。2018年12月からCTOを兼務。
3部門が連携してわくわくする体験を届ける
【スターバックス コーヒー ジャパン】
現在のマーケティング部門の組織体制
私が所属するデジタル戦略本部は、Starbucks Rewardsを中心としたCRM、モバイルアプリの開発運用などを担当しています。デジタルの浸透により、役割は増え、人員を強化しております。また、マーケティングを担う部門は他にも、商品本部、マーケティング本部があり、商品本部は商品企画開発、マーケティング本部は広報、インストアの販促企画運用、SNS/Webコンテンツ開発、運用などを担っています。3部門が連携することで、カスタマーにとって特別で、わくわくするスターバックスだけの体験を届けています。広告は未実施なので、広告部門などはありません。
他部門やパートナーとの関係構築のコツ
今後のロードマップや施策の背景情報など、できる限り多くの情報を共有し、同じフィールドでディスカッションやプランニングができるようにしています。またお互いにフィードバックすることが重要なので、できる限りそういった機会を設けています。パートナーを選択するときに重視していることは、ブランド理解の深さとそれにフィットしたアイデアが提供していただけるかどうかという点です。どれだけ素晴らしいアイデアであっても、ブランドとしてのフィット感がないと実施は難しいので、そこを理解していただけることは重要だと考えています。

デジタル戦略本部 本部長 濱野 努氏
1993年に日本マイクロソフトに入社。2003年にマーケティング部門に移動後、デジタルマーケティングを統括する部門の責任者となる。2014年よりチューリッヒ生命マーケティングコミュニケーション部長として、マーケティング、PR、Web、CSRなどを担当。2017年2月より現職。ロイヤルティプログラム「Starbucks Rewards」やデジタルを通じた顧客体験向上、エンゲージメント強化をリードしている。
サービスごとにマーケティング体制を構築
【DeNA】
現在のマーケティング部門の組織体制
主にゲーム事業、スポーツ事業、ヘルスケア事業、オートモーティブ事業、新規事業の5つで、各事業にマーケティング部門があります。会社全体でマーケティングに携わっているスタッフは約100名です。また、マス広告に関する意思決定は各事業部門が行い、制作進行は全社横断の組織が担当しています。体制変更については、小さなものも含めると半年に1回程度行っております。私の担当しているゲーム領域でもコミュニティマーケティング専門の部署を作ったりしています。このようなチャレンジを継続して行っております。
他部門やパートナーとの関係構築のコツ
ポイントは「1.同じ目線で、経営ビジョンや課題を対等に話せる関係であること」「2.チャレンジ精神を持っていること」「3.楽しんでマーケティングをしようという気概を持っていること」の3点です。広告主と代理店というのは、お金のやり取りがあるので上下関係が生じたりすることがありますが、対等に言いたいことを、心理的安全性を保ったスペースで議論できる関係が何よりも大切です。チャレンジする際に心理的安全性がないと、健全なチャレンジを阻害するケースもあるので、失敗を許容しつつ、そこから吸収して成功確度を上げていく「意志」と「胆力」を広告主は持たねばなりません。後は、何よりも施策を率先して楽しむことが大事です。

マーケティング部 部長 今西 陽介氏
2004年ディー・エヌ・エーに入社。入社後は、Mobage、ポケットアフィリエイト、モバオク、モバコレなど、複数のモバイルサービスの立ち上げに従事。現在は、DeNAのゲーム事業のマーケティングを執行するマーケティング部で、ファンマーケティング、デジタルマーケティング、ゲームメディアPRなどの領域を管轄。副業ではスタートアップを複数社支援。