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コアファンに刺さるコンテンツから新規層へ拡散 DAZN流・ソーシャル上で話題を生む方程式


刺さる施策に必要なこと

MZ:伊藤さんは、どのように企画を立てていったのでしょうか。

伊藤:最近、ネット動画配信サービスを中心に恋愛リアリティーショーと呼ばれるジャンルがトレンドになっていますよね。それを現役のサッカー選手とCamCamのモデルで行う企画を考えました。サッカー選手と恋愛リアリティーショーの組み合わせはこれまでにないおもしろい組み合わせになるのでは、その選手の恋愛観や普段見えない素顔を見せることができ、驚きを与えられるのではと思い企画内容を詰めていきました。

MZ:昨今の話題の恋愛リアリティーショーからヒントを得たのですね。今回の動画にはヴィッセル神戸の西大伍選手を起用されていますが、ここにも理由があるのでしょうか。

伊藤:今回の施策では、8月2日に行われるヴィッセル神戸対ガンバ大阪のフライデーナイトJリーグをプロモーションすることが決まっていました。そして、ヴィッセル神戸がホームの試合だったので同クラブの選手にすることは決めていたのですが、西選手に協力を依頼したのはTwitterで発信力のあるインフルエンサー的要素を持ち合わせているとお見受けしたことが理由です。

 西選手は普段からユニークな視点の投稿が多く、ファンの話題にのぼることもしばしば。その上、ご本人もこの企画に対してとても協力的だったので、ご出演をお願いすることができました。

 そして、西選手とCanCamモデルの今井美桜さんが神戸をデートする恋愛リアリティーショーをYouTubeで配信することになりました。前編・後編の2本を7月に公開しましたね。

【DAZN×CanCam×Jリーグ】現役Jリーガー西大伍とモデル今井美桜が”ガチデート”(前編)

MZ:刺さる動画コンテンツにするために、工夫した点はありますか。

伊藤:西選手ご本人にノッてもらえる企画になるよう気をつけました。たとえば、西選手はすごく釣りが好きなことを事前リサーチしていたので、デートコースの中に水族館を入れました。やはり西選手は魚について詳しく、ノリノリで楽しんでくれました。

 また、より素の表情や発言が出やすいよう、車中の撮影は車載した定点カメラのみ。今井さんと二人だけの空間を作ることで、”撮影されている感”をなるべく取り除けるよう配慮しました。ちょっとでも何かやらされている感じになると、見ている人にはすぐバレてしまうので、そういう作為的なことをしないようにという点に配慮しました。

自発的に広めたくなるモチベーション作り

MZ:作ったコンテンツはどのようにして広めていきましたか。

伊藤:「Content Is King, Distribution Is Queen」という言葉があるくらい、情報が広がる道筋を作ることは、コンテンツ作りと並んで大事です。動画はYouTube上で公開しましたが、まずTwitterで話題を作って、そこからみんなが見に行く導線を作りたいと考えました。

 動画を公開したらご自身のTwitterで動画を紹介していただけるように西選手にはお願いしていました。西選手は複数クラブや日本代表でのプレー経験もあり、他クラブの選手にもご友人が多いので、他のサッカー選手からもリアクションがあり、より話題にのぼっていくことも期待していました。

 実際、本田圭佑選手が「オモロイやん。俺もまぜろ。」と絡んでくれたことを筆頭に、多くのサッカー選手がこの企画をTwitter上で”イジって”くれました。それを見たサッカーファンがまたさらに話題にするという良い流れを作ることができました。

 コンテンツ制作からディストリビューションまで、選手が自発的に投稿やコメントをしてくれるモチベーション作りがうまくできたかなと思います。

MZ:今回のターゲットである女性に向けては、どのように広めていきましたか。

伊藤:CanCamのWebサイト「CanCam.jp」で、2度記事を掲載しました。1回目は、神戸のデートコースを紹介するもので、2回目は西選手と今井さんのデート舞台裏のような切り口になっています。それをCanCamのTwitterやInstagramでも広めていただきました。

 他にもDAZNのTwitterは33万人ほどフォロワーがいますので、我々のチャネル経由でも、サッカーのコアファンを中心にアプローチしていきました。もちろん、Jリーグの各種オウンドチャネルでも広めていただきました。

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蓄積されたセオリーが導いた成果

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この記事の著者

平田 順子(ヒラタ ジュンコ)

フリーランスのライター・編集者。大学生時代より雑誌連載をスタートし、音楽誌やカルチャー誌などで執筆。2000年に書籍『ナゴムの話』(太田出版刊)を上梓。音楽誌『FLOOR net』編集部勤務ののちWeb制作を学び、2005年よりWebデザイン・マーケティング誌『Web Designing』の編集を行う。2008年よ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2019/10/01 13:06 https://markezine.jp/article/detail/32015

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