「採用をマーケティングでハックせよ」をテーマにお送りする本連載。最終回となる本稿では、Microsoft・Amazon・HuluなどでHR業務に携わり、現在はNetflixの採用マネージャーを務める徳本雅則さんをお招きします。ホストとなるのは、ウォンテッドリーCEOの仲暁子。徳本さんと共に「これからの時代に求められる採用のあり方」を探ります。
Netflix特有の採用方針
仲:Netflixの国内会員数が前年比77%の伸びをみせたというニュースを拝見しました。「2019年のエンタメ業界の目玉はNetflixだった」と言えるくらい、日本市場でも急速な成長をみせた1年でしたね。今日はそんなNetflixの成長を支えている採用戦略についてお話を伺いたいのですが、たとえば日本とグローバルとでは採用方針に違いを設けているのでしょうか。
徳本:各国の採用慣習によって細々とした違いはもちろんありますが、採用に対するプライオリティが高いことは共通しています。ビジネスを成長させるためにはしかるべきタレントが必要ですから、Netflixでは採用を各事業部が主体的に取り組むべきタスクとしています。

徳本 雅則(写真、左)
Netflix株式会社 採用マネージャー
マイケル・ペイジで転職エージェントとして5年勤務した後、Microsoft、Amazonで採用業務、Hulu、BethesdaではなどのHR業務を遍歴。2019年3月にNetflixに入社し、同社の採用HR戦略に携わる。仲 暁子(写真、右)
ウォンテッドリー株式会社 代表取締役CEO
京都大学経済学部卒業後、ゴールドマン・サックス証券に入社。退職後、Facebook Japanに初期メンバーとして参画。2010年9月、現ウォンテッドリーを設立し、ビジネスSNS「Wantedly」を開発。2012年2月にサービスを公式リリース。
Facebook Japanでの経験を通して、ソーシャルメディアの可能性を肌で感じたことがWantedlyというサービスを思いつくきっかけとなる。ウォンテッドリー設立後、人と人がつながることにより、個人の可能性を最大限広げるサービス作りに取り組む。
仲:人事が事業部から発注を受けるような形で採用オペレーションを一任されるわけではないということですね。
徳本:はい。これはNetflix特有のカルチャーかもしれませんが、採用から入社後のオンボーディングにいたるまで、責任を持つのはHiring Manager(採用枠のある部署のマネージャー)です。部門のカルチャーをどう発展させるか、そのために誰に声をかけるか、どの採用チャネルを使うか、すべての意思決定権を持っているのはマネージャーで、人事・採用担当者はマネージャーにとって必要不可欠なパートナーとしてアドバイスをする立場です。
ですので、人事部に求められるのはKPIや予算ベースの採用ではなく、ビジネスを推し進める事業部の採用パートナーとしての存在を全うすることです。
成長戦略としての採用は「数合わせ」であってはいけない
仲:人事業務の捉え方がユニークですね。予算ベースの採用を重視しないのには独自の意図があるのでしょうか。
徳本:トップレベルのタレントを採用することにフォーカスした結果、いまのような人事業務が求められるようになりました。採用担当者が数合わせのために仕事を行っているようでは、本質的な事業貢献の形から遠ざかってしまいますから。ビジネスに本質的なインパクトをもたらす成果が評価される仕組みに恵まれている点で、Netflixはユニークだと思います。
仲:かなり独自の手法だと思いますが、共感するところもあります。自社にマッチする人材はそもそも限られているのに加えて、日本では労働人口も減って有効求人倍率が高止まりしている。数を追うよりも、適切なターゲットにピンポイントにアプローチすることを軸に採用手法を大きく見直さなくてはいけないタイミングになっていると思います。
徳本:Netflixではとにかく、すべてのポジションでハイパフォーマーを起用することにこだわりぬいて、その軸をぶらさずに採用をしています。それ以外のこと、たとえば採用までのプロセスだったり、採用チャネルだったりは各マネージャーの裁量に委ねるのが一番です。もちろん、言うのは簡単なことではありますが、我々も日々試行錯誤を続けています。
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加勢 犬(カセイ ケン)
ウォンテッドリー株式会社 編集者
東京大学大学院総合文化研究科修了。同大学院後期博士課程を単位取得退学後、2015年よりサムライトに入社。オウンドメディア事業部マネージャーとして複数のメディアの立ち上げやグロースに携わる。その後、外資教育系企業にてコンテンツマーケティングに従事。現在は、ウォンテッドリー初の編集者とし...※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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