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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2025 Retail

定期誌『MarkeZine』特集

キリンが模索する、販促に必要な新たな最適解

事情があって買えない人に買ってもらえる販促を

――今後の販促を考える上で重要なことはなんだと思いますか。

安藤:これまでの販促とデジタル販促は完全に分断されるものではないと思っています。特にデジタルはリアルの施策の補てん、強化ができる強みを持っているはずです。そのため、今後販促を考える上では「デジタルで何ができるのか」という発想ではなく、「こういった施策を行うと店員の作業を軽減できて、生まれた時間で新たなサービスを提供する」といったところまで考えることが販促には求められていると思います。

皆巳:販促はこれまで店頭で価格を下げる、POPを出すといったところに目が行きがちでしたが、これからは「その場で買いたいけど事情があって買えない」人に買ってもらえる仕組みを作ることが販促には必要だと考えています。

 たとえば、夕食の材料を買って、ビールの6本入りを買いたいけど重いから1本だけ買っている人がいるかもしれません。そういった人に対し、モバイルアプリで6本入りのビールを注文して家まですぐデリバリーする仕組みを用意するのも立派な販促だと思います。中国では店舗近隣であれば30分以内に配達するスーパーも出てきていますが、そういった買い物が便利になる仕組みを小売さんと一緒に考えるのがメーカーの役割になってきています。

永沢:既存の小売企業さんは今大きな構造改革が求められています。そこに対して、メーカーも積極的に協力する姿勢が求められていると私は思います。販促においても、メーカーと小売企業が協力しながら、お客様にとってメリットがあるものを提供するべきだし、そのためにデータの連携なども進めていくべきではないでしょうか。

グループの持つお客様接点を最大限活用

――最後に、キリンの今後の展望をお話しいただけますか。

安藤:キリングループは「自然と人を見つめるものづくりで、「食と健康」の新たなよろこびを広げ、こころ豊かな社会の実現に貢献します」という経営理念を掲げています。ここまで、販促がどうあるべきかというお話をさせていただきましたが、お客様全員の生活が豊かになることに結び付くような販促活動をこれからも行いたいです。

 また、我々は健康領域にも力を入れておりますので、デジタルマーケティング部の取り組みで得られた知見を健康領域でも活用できればと考えています。

皆巳:我々は自動販売機や飲食店のキリンシティ、レンタルビールサーバーのホームタップなど、家飲みから外飲みまで対応できる様々なお客様接点を持っています。これらを最大限駆使するのはもちろん、5Gの登場で通信環境が整ってくると思うので各お客様接点を連携させた取り組みを実施してお客様の利便性を高めたいと思っています。

 また、既存のお客様だけで売上を上げるのは難しいので、新たなお客様をどこから連れてくるかは常に考えたいです。そして、キリンの商品を体験していただいたお客様がまた他の接点で買っていただけるような息の長い付き合いを作り出していければと思います。

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この記事の著者

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2021/02/26 17:44 https://markezine.jp/article/detail/32917

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